「国際法は必要ない」電光石火の衝撃
「私に国際法は必要ない」
米紙ニューヨーク・タイムズが1月8日に公開(取材は7日に実施)したインタビューの中で、トランプ大統領はそう言い切ってみせた。
ベネズエラへの攻撃、マドゥロ大統領の拘束と連行、石油資源の獲得――。あたかもアメリカがベネズエラを占領するような言いぶりだ。だとしたら、どう考えてみても国際法違反の疑いしかないが、トランプ氏は「私には関係ない」と意に介さない。
襲撃はまさに電光石火だった。
米東部時間1月2日夜、フロリダ州の別荘「マー・ア・ラゴ」からトランプ大統領が作戦開始を命じた。3日未明にはベネズエラの首都カラカスで爆音が響いた。
米国が誇る最新鋭ステルス戦闘機が精密爆撃を実施。防空システムや軍事拠点、そして送電設備を破壊し、市内は一時的な停電状態に陥った。
さらに、150機以上の航空機が20の米軍基地から集結。停電と防空システムへの打撃で丸裸となった大統領宮殿(軍事要塞化されていた)に、米陸軍最強とうたわれる対テロ特殊部隊「デルタ・フォース」が、精鋭輸送部隊である第160特殊作戦航空連隊、通称「ナイト・ストーカーズ」の手によって送り届けられた。
拘束にかかった時間は5分程度
襲撃からマドゥロ大統領と妻の拘束にかかった時間は5分程度と言われている。米軍発表によれば、大統領公邸の部屋の詳細な見取り図、食事、果てはペットの種類まですべて把握していたといい、その極めて高い諜報能力の一端を見せつけた。
これには世界が震え上がった。これまでもトランプ大統領は対立する外国の指導者に対し、「お前がどこにいるか分かっているぞ」などとSNSで脅すことがあった。それが単なるブラフではなく事実であり、かつ米軍の力をもってすれば拘束や殺害も容易であるという現実を突きつけたからだ。
マドゥロ大統領も油断していたわけではないだろう。この独裁者は、野党指導者たちを次々と政治犯として拘束してきたと言われる。
常に命を狙われる恐怖から、軍事施設のように強固な要塞に住み、多くの即応部隊を護衛につけていた。デルタ・フォースが乗り込んだとき、彼は自身の寝室に備え付けていた「セーフルーム(鋼鉄製の避難室)」に逃げ込もうとした手前で拘束されたのだ。













