政治家と母、「切り替えなんてない」

政治家としての顔と、母親としての顔、切り替えはあるのか。また、仕事と家庭の両立ということは、子どもを持つ人たちなら誰でも気にするところでもある。大切にしていることを聞くと、鈴木議員はこう率直に答えた。

「切り替えなんてありませんし、両立なんてできてないんですよ。まず、両立ってなんですか?という感じで」

仕事と家庭の両立について話をする鈴木貴子議員 撮影/齋藤周造
仕事と家庭の両立について話をする鈴木貴子議員 撮影/齋藤周造

もっと子どもと一緒にいたい。政治家として人様の卒業式には出られるのに、なんで我が子の卒業式に出られないんだろう。その葛藤は常にある。

「それも子どもに説明がつかない。ただただ申し訳ないと思うのだけど、子どもたちに伝えるべきは『ごめんね』より、『大好きだよ』だとも思うんです。ちなみに私の父の口癖は『スマンな』でした。父としてやっぱりあと一つ足りてませんね」

そう語る表情は柔らかで、自身の父へ愛ある皮肉を込める。そんな鈴木議員は、働く女性のきれいごとではない本音をずばり代弁する。

「私ももちろんですが、世の中の働いている親は、できるんだったら、もっともっと子どもといたいんですよ。でも同時に、仕事を辞めたいわけでもないし、おざなりにしたいわけでもない。だから永遠に答えがないんです。満足もないし、納得もないし、完璧もないし、完全もない。

でもね、子どもがこうも言ってくれたんです。『お母さん、お仕事大変って言うけど、お母さんいつもお仕事楽しそうにしてるよ』って。楽しそうにしてるって見えていれば、よかったなと」

鈴木議員にとって、政治家として一番成し遂げたいことはなにか。

「寛容な社会。人の幸せを素直に喜べる社会を作ることです」

やりたいことはたくさんある。ライフワークの防災・減災、子ども・子育て支援、教育改革など。

「上の子は小学2年生ですが、学校の様子を見ていても、今の日本の教育は『のびのびと』とか『想像力を』と掲げているわりには、持ち物や身につける物が細かく指定されていて、モヤモヤするところもありますね」

でも最終的には、寛容な社会に尽きるという。

「人の幸せを素直に喜べる。全てを受け入れる必要もない。だからといって、排除しない。それが支え合いの社会なのでね」