ミュージカルは大赤字も「稼ぎを全部突っ込んでいい」

──今年9月に開催された「ザ・ミュージカルマン2025」も、事務所に所属していたときよりも深く携わっていた印象があります。運営面を主導したのは初めてですか?

そうですね。会場を押さえるところは運営会社さんに手伝っていただきましたが、資金調達やグッズの制作、舞台の内容、イベントPRなど、やりたいことの部分は全部自分でやりました。

──収益としてはどうでしたか?

大赤字です。大赤字。総制作費が2700万円くらいかかっていて、たぶん1600万円くらい赤字じゃないかな。

──それでも続けたい、と思える理由は何なんでしょう。

やっぱり「自分にしかできないもの」を作りたかったんですよ。僕にしかできないエンタメを作りたかった。今回やってみて、「来年1年働いて、その稼ぎを全部『ザ・ミュージカルマン』に突っ込んでもいいな」と改めて思いましたね。

ネタでは、僕は唯一無二になれなかった。誰かがやっていそうなネタばかりで、自分としても独自性を感じられない部分があったんです。

でも、ダンス、歌、ものまね、ヒューマンビートボックス、ミュージカル……それぞれの一流の人たちと僕がコラボする舞台なら、「これはエハラマサヒロにしかできない」と思えたんです。

──観に来られた方の反応で印象に残った言葉ってありますか?

あ、倖田來未さんが観に来てくれてたんですけど、舞台の進行の邪魔になるぐらい大きい声で笑ってました(笑)。

あと嬉しかったのは……僕、25歳のときに『おはスタ』(テレビ東京系)のレギュラーが初めての地上波レギュラーだったんですよ。そのとき何の経験もなくて、毎回ベテランの演出の方に怒られてたんです。

でもずっと応援してくれていて、今回18年ぶりにお声がけしたら、「チケットは自分で買う。招待されたら、ちゃんと感想を言えない。席だけ押さえてくれたらいい」と言って見に来てくれたんですね。それで終わった後に「よくやったなあ」と褒めてもらえた。これは本当に嬉しかったですね。

#2へつづく

#2「エハラサマサヒロが手放しで絶賛するモノマネ芸人とモノマネ界に現れた意外なスター候補」

吉本退所から1年「退所はメリット100、デメリット0」エハラマサヒロの本音「自主制作の舞台は1600万円赤字も収入倍増」…それでもフリーになって痛感した吉本のすごさとは_4
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取材・文/毛内達大 撮影/平川友絵