安倍元首相ものまね芸、「不謹慎だ」と言われたことも… 

安倍晋三元首相が亡くなってから半年経った2023年1月、妻・昭恵さんからの承認をいただいたことで、安倍さんのものまね芸で活動を再開した。

復帰の舞台に選んだのは、東日本大震災の被災地・福島県楢葉町。安倍さんが復興支援のため、自らトラックを運転し、何度も足を運んだ場所だった。

安倍さんゆかりの地を訪れる自身のYouTube企画「あべさんぽ」の一環で、町を歩いていると、町民の反応は温かかった。最初は驚きつつも、笑顔で手を振ったり、安倍さんとの思い出話を語ったり、なかには感極まって目頭を押さえる人までいた。

「これからも安倍さんのものまねをやっても大丈夫、待っていてくださる方はたくさんいるんだと、実感することができました」(ビスケッティ佐竹さん、以下同)

活動再開から約2年半。“安倍晋三”のものまねをする佐竹さんの現在の活動状況は、基本的にショーパブでの披露のほか、結婚式や中小企業の周年パーティーにて“安倍晋三”として祝辞を求められることが多い。

「正直、地上波や公のイベントでの“安倍晋三”としてのオファーは全くない状況です。まだ事件を思い出して悲しくなってしまう人も多く、『不謹慎』と捉えられかねないので…僕も無理して広げてほしいとは思っていないです」

とはいえ、徐々に“安倍晋三”としての仕事が増えつつある佐竹さん。芸を披露する前には必ず「安倍元総理公認のものまね芸人である」こと、「妻の昭恵さんから了承を得ている」ことなどを伝えているという。

「お客様の中には『亡くなった方のものまねをして大丈夫なの?』と心配される方もいます。不安を抱えたまま、芸を楽しんでもらうことはできない。だから『安心して見てくださいね』という意味を込めて毎度、伝えさせていただいてます」

芸を見る前の段階で「不謹慎だ!」と言われたことはこれまでもあったというが、実際に、説明をしたうえで芸を披露した後は、「頑張ってね」「応援してます」と温かい言葉をかけられることがほとんどだったという。

安倍元首相のものまね芸人・ビスケッティ佐竹さん。安倍さんの死後、芸を披露するうえで求められる配慮について語る(撮影/石垣星児、以下同)
安倍元首相のものまね芸人・ビスケッティ佐竹さん。安倍さんの死後、芸を披露するうえで求められる配慮について語る(撮影/石垣星児、以下同)
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