改めて振り返る吉本興業のすごさ

──支出の管理など、お金のマネジメントもすべてご自身でされてるんですか?

基本的には全部自分でやってますね。

家族ができた27歳くらいのときに、「ちゃんとお金の稼ぎ方を知って、地盤を固めよう」と思ったんです。芸人って本当に水物で、多くの人がパッと消えていく。その現実を目の前で見たときに、「この仕事をどんなバランスで稼いでいくのが正解なのか」「この金額はどういう流れで自分に入ってくるのか」みたいな部分を、めちゃくちゃ調べました。

あと「吉本の強みはここ」「他事務所のメリットはこう」といったことも分析しながら、お金の流れを把握できるようにしましたね。

「めちゃくちゃ面白くても消えていった芸人がいたからその背中を見て学んだ」と話すエハラ氏
「めちゃくちゃ面白くても消えていった芸人がいたからその背中を見て学んだ」と話すエハラ氏

──吉本興業の強みは、どこにあると思いますか?

“看板が大きい”のはもちろんですが、一番すごいのは「劇場で芸人を育てる仕組み」だと僕は思います。

劇場って、基本赤字なんですよ。でも吉本はそれをずっと続けていて、毎日芸人を出す場を用意してくれている。しかも、ちゃんとギャラも出るわけです。一般的には「利益が出たときだけギャラを分配する」というのが興行ですよね。

でも吉本は、お客さんがたとえ1人でも絶対ギャラが出る。だから、劇場だけで食えている芸人もいます。それくらい“芸人が育つ環境”に投資しているんです。

──劇場に立ちたいタイプの芸人さんにとっては、最高の環境ですね。

本当にそうです。僕が2009~2010年とR-1グランプリの決勝に行けたのも、あの時期に劇場にめちゃくちゃ立たせてもらったからです。

「R-1まであと1週間」というタイミングで社員さんにお願いしたら、「ここ入れます」「ここも入れます」と、5本も10本もライブを入れてくれました。