「海外マーケットでの賠償はどうするのか?」

今のところ、原因となったサプリ「紅麹コレステヘルプ」などからは青かびの化合物のプベルル酸が検出され、問題視されているが、これが今回の健康被害例として報告されている腎臓の機能障害を引き起こすのかどうかははっきりとはわかっていない。

「小林製薬は昨年12月まで紅麹を製造した大阪工場をすでに閉鎖し、設備を和歌山工場に移設して今年1月から製造を行なっていました。厚労省は3月下旬に両工場に立ち入り検査をしましたが、製造ラインが一度解体されているため、もともとの衛生状態を確認できるか不透明です。

さらに、工場でのプベルル酸の混入が確認できたとしても、それが腎臓にどの程度害を及ぼすかの確認もできなければ、原因究明とまではならないでしょう」(在阪記者)

小林製薬が自主回収すると発表したサプリ(小林製薬Xより)
小林製薬が自主回収すると発表したサプリ(小林製薬Xより)
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これまで小林製薬はインバウンドを大きなターゲットに販売を展開してきたが、今回、健康食品メーカー2社が小林製薬の紅麹を輸入していた台湾でも6人の体調不良者が出たと報じられている。輸出販路とは別に外国人観光客がサプリを買って、帰国後に服用したケースもあるとみられる。

3月29日の記者会見では中国中央テレビの記者が「海外マーケットでの賠償はどうするのか」と詰め寄ったのに対し、小林社長は「消費者や関係する企業への対処は国内外で区別することはない」と強調したが、対応については「相談させていただきたい」と答えるにとどめた。

紅麹原料は52の事業者に卸され、ここからさらに173事業者が供給を受けていたとされてきたが、この計225事業者と取引関係のある国内企業を帝国データバンクが調べたところ、飲食料品メーカーが1778社あることが判明したと伝えられた。国内でも消費者への影響はさらに広がりそうで、小林社長の苦境は続く。

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 取材・文/集英社オンラインニュース班