白い服に身を包んだ金正恩総書記が右手を上げ…
事故が起きたのは今朝の午前9時23分ごろ。CM明けと同時に平壌中心部の金日成広場で夜間に朝鮮人民軍の将兵が行進している場面が現れ、「祖国解放を抱きしめた青年たちの隊伍です…」という女性の声による朝鮮語のナレーションが入る。
直後には白い服に身を包んだ金正恩総書記が右手を上げている場面が流れ、画面が本来放送されるはずだった企画「トータルテンボスのいたずらツアー！春休みSP」のVTR映像に戻ったのは8秒後だった。
「映像は2022年4月25日に行われた朝鮮人民革命軍の創建90年記念軍事パレードを、翌26日に国営の朝鮮中央テレビが放映したものです。ナレーションは金正恩氏の動静報道の時だけに起用される重鎮アナ、李春煕氏の声です」と解説するのは朝鮮半島報道を担当する大手紙外報部デスクだ。
「金正恩氏は朝鮮人民軍で最高の階級である『共和国元帥』の肩書を持っており、このパレードのときは元帥服と呼ばれる純白の服を着て現れたことが注目されました。
元帥服は祖父の故・金日成主席が1953年の朝鮮戦争の休戦協定締結直後に北朝鮮の人民の前に着て現れたことが有名で、金正恩氏は2012年に共和国元帥の称号を受けた後もこの元帥服を着た姿を公開したことはなかったのですが、2022年４月のパレードで初めて公開しました。
米韓と戦火を交わした朝鮮戦争が終わっていないとして対立局面が長期化することへの覚悟を国内に求める狙いとみられました」（外報部デスク）
VTRが終わって映像がスタジオに切り替わると、田村真子アナウンサーが「本来Ｊアラート（北朝鮮の弾道ミサイル発射時の全国瞬時警報システム）などの緊急時に使用するため準備していた映像が誤って流れてしまいました。視聴者の皆様にご迷惑をおかけし失礼しました」と陳謝したが、SNSでは「わざと？」「Jアラート用だったってほんと？」と疑う言葉が飛び交い、田村アナが「意味不明な説明で明らかに動揺している」との指摘も。「北朝鮮の映像」「放送事故」がトレンド入りした。
