「スーパー強盗撃退作戦の巻」(ジャンプ・コミックス第51巻収録)
今回は、コンビニ強盗を両さんがみごと撃退するお話をお届けする。
本作中で登場する店舗は、いわゆるコンビニだ。ところが作中では「深夜営業のスーパーマーケット」と称されてる。
本作が描かれたのは1986年。ファミリーマート、セブンイレブン、ローソンといった現在まで続く大手チェーンが1970年代に登場し、1980年代に入るとサンクス、ミニストップ、サークルKなども市場に参戦。コンビニはすでに我々の生活に浸透し始めていた。
とはいえ当時は、ようやくPOSシステムや24時間営業が普及してきた頃だ。各チェーンが店舗数の拡大やオリジナル商品の開発で熾烈な競争を繰り広げるのは、もう少し先の話だ。
コンビニは、深夜あるいは終夜営業を少ない人数で回すことや、時間帯によっては客が少なくなることから、強盗や万引きの被害に遭いやすい。現代では現金での支払いが減っているが、それでも客が手を伸ばせるような距離にレジ=現金があるのも要因のひとつだろう。そのため、防犯カメラや通報システムの導入と進化は、小売業の中でも特に早かった。
さらに、他の販売業以上に気をつけないといけないのが、アルバイト店員だけで店を回していることによる「バイトテロ」の発生だ。もっとも、これの原因は賃金をはじめとする労働条件の悪さや教育の不足、ソーシャルメディアに「晒す」快楽の誘惑……といった社会的な要因が大きく、コンビニに限った話ではない。
ちなみに作中で、コンビニ強盗を待ち受ける両さんが潜んだのは、なんと飲料の冷蔵庫の中。その結果、強盗ではなく普通の買い物客を驚かせることになってしまう。バイトテロどころか、よりによってポリステロを起こしてしまったわけだ……。
それでは次のページから、深夜のコンビニ強盗をめぐる両さんの活躍をお楽しみください!!