体育館の取っ手を壊して、平家物語を模写? 衝撃の卒業エピ
――誰しもが経験する「卒業式」というイベント。柳沢さんは、どんな卒業式を迎えたか、記憶に残っていますか?
柳沢慎吾(以下同) 鮮明に覚えているのが、高校の卒業式ですね。
式が終わって友だちと帰ろうかなって思っていたときに、空き教室である先生が泣いているのを見つけたんですよ。その先生は、担任でもなかったんですが、年も近いせいか友達みたいに接してくれたんです、「お前らが一番印象に残った生徒だったよ」って。
思い返せばその先生は、僕らを例に「上級生を見習え」と下級生に指導していましたし、細かいところを見ていてくださったんでしょうね。
その姿を見て、ああこの学校にはもう戻ってこないんだな、と寂しい気持ちになったことを覚えています。
――素敵なエピソードです。今も同級生の方とは交流があるのでしょうか?
地元・小田原(神奈川県)の小・中学校のメンバーはいまだに連絡が来ますし、遊びに行くこともありますね。何より実家が近所だから(笑)。今日は誕生日(取材日は柳沢慎吾さんの誕生日)だったんで「おめでとう」ってメッセージが来ましたし。
卒業して結婚したり、子どもができたりしても、「お前あのとき、あの子のことが好きだったろ?」みたいな感じで、昔のままの他愛のない話しかしていません。62になっても昔の関係が続いているって幸せなことですよ。
でも卒業式って言うと、実は苦い思い出もあるんです。
――苦い思い出、というと?
50年も前の話になりますが、中学2年生だったときの卒業式前日に、式の会場だった体育館の入り口の取っ手を友だちと引っ張りっこして壊しちゃったんですよ。そうしたら先生に「馬鹿野郎!」と怒鳴られて(笑)。罰としてなぜか平家物語の小説をすべてノートに模写しろって言われたんです。
――なんとなく昭和らしい罰則ですね(笑)。
模写した後、母が学校に来て顔真っ赤にして謝っていましたね。
ちなみに、最近ロケで50年ぶりに母校の中学校を訪れたんですけど、校舎が当時のまんまだった。
体育館の取っ手を見てみると、僕が引っ張って壊した部分は新しいのに変えられていたんですが、古いほうはそのままだった。オンエアではカットされちゃいましたが、思わずあのときの自分のバカさ加減を思い知ったなあ。