ドラマのように体罰は日常茶飯事だったけど…

阿部サダヲ演じる主人公・小川市郎は“愛の鞭”と称した厳しい指導で生徒から「地獄のオガワ」と恐れられている中学校の体育教師兼野球部顧問。

第1話の部活シーンでは「バテるんだよ、水飲むと!」と水分補給を禁止したり、生徒がエラーをすればウサギ跳び、さらに連帯責任で全員ケツバットなど、昭和ならではの光景が繰り広げられた。このシーンを見て「あの当時はめちゃくちゃだったけど、精神的なものはかなり鍛えられた」と当時に思いをはせるのは建設会社に勤める50代男性だ。

現在、放映中のドラマ『不適切にもほどがある!』(撮影/集英社オンライン)
現在、放映中のドラマ『不適切にもほどがある!』(撮影/集英社オンライン)
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「僕も中高の野球部で『水は飲むな!』と言われてたから、ユニフォームの袖を水道水で湿らせておいて、練習中に喉が渇いたらチューチュー吸ってました。なかには水たまりの水をすすってるヤツもいて(笑)。それにビンタなどの体罰も日常茶飯事。

今の褒めて伸ばす風潮もいいけど、『なんとしてもうまくなりたい』『褒められたいからがんばる』って自主性やガッツは昭和ならではで、精神的な土台はかなりつくられました」

また、自身を“昭和最後のツッパリ”と称するアラフィフの女性ライターも通っていたヤンキー中学校をこう振り返る。

「“置き勉”しただけで3階の教室から1階の職員室まで髪の毛を引っ張られて連れていかれ、教頭室で正座させられ、その上、往復ビンタからの説教2時間くらいました。今やったら社会問題ですよ(笑)。

それで更生したわけじゃないですけど、一番私をたくさん殴った先生から『きみの文章はおもしろいね』と言われたのがうれしくてライターの道を目指したので、ある意味で恩師ですね」

別の50代編集者の女性の中学は地元でも有名なヤンキー校だったとかで、こう振り返る。

「教室の窓ガラスは常にどこか割れてたんで、冬は寒くて。あと、教室のドアには赤テープが貼ってあって、そこよりスカート丈が長いと、先生にハサミでスカートを切られる。だからみんなそこを通るときは背伸びしてました。当時はスカートの長さ=気合い、でしたから。
パーマも強ければ強いほど、あいつ、気合い入ってるわ、だったので、今思えばとんでもないおばさんパーマをかけてましたよ、トホホ。で、先生に霧吹きでシュッと水をかけられてパーマかどうかチェックされて、バレるとこれまたハサミで切られる。今だったらこんなのほんとヤバいですよね(笑)」