私の希望する年収1000万というラインの男は、
みな20代の女性を希望している

「だって、子供を産むことを考えたら、早く再婚しないとならないでしょう。でも、アラフォーにさしかかるとさらに出会いもありません。仕方ないので、婚活サイトや結婚相談所に登録しましたが、理想の人はなかなかいなくて。運営側からは、少し条件を下げたらどうかって言われました。私の希望する年収1000万というラインの男は、みな20代の女性を希望しているというんです」

あなたに理想があるように、相手にもある。お金のある男なら、誰もが羨むようなトロフィーワイフが欲しいのだろう。

条件を下げるつもりは?

「ありません。そこだけは譲れませんでしたから」

お金を最優先に選んだ相手に三度も裏切られたというのに、理想は揺るがない。これは信念なのか、懲りないだけか。

ふと、お姉さんと重なってしまう。男にたかられ続け、お金に無頓着すぎる姉と、男をお金でしか判断しない妹。もしかしたら、ふたりは根底で繋がっているのかもしれない。もちろん、決して彼女は認めないだろうが。

「だから今は、婚活と同じくらいマネ活に重点を置いています」

結婚相手の条件は年収1000万以上…相手に求めるのは経済力のみなのに3度結婚に失敗した38歳・バツ3女性の言い分「ほら、お金は大事でしょ」_5

異業種の人との出会いを求めて、
金融セミナーに通ってみたんです

マネ活?

「異業種の人との出会いを求めて、金融セミナーに通ってみたんです。そこで投資と出会いました。スマホを使って気軽に始められるんですよ。それにすっかりはまってしまったんです。今はまだ初心者だし、損をしないように月に10~20万くらい儲かったらそれ以上は取引しないようにしているんですけど、もっと勉強して知識が身についたら、金額も上げたいし、難しい投資にもチャレンジしていくつもりです。それで私、ようやく気が付いたんですよ。結婚相手に求めるより、自分でお金を稼いだ方がストレスがないし、手っ取り早いって」

着地点としては悪くない気がする。寄り添って生きる相手が必要ないというなら、通帳に並ぶ数字の方が、彼女に安らぎを与えてくれるはずだ。

じゃあ結婚する必要がなくなったのでは?

「でも、子供は欲しいんですよね。両親みたいな夫婦になるのが理想なんです。だから婚活は続けます。それでも、どうしても相手が見つからなかったら、精子バンクから優秀なDNAを持った精子を提供してもらって妊娠することも考えています。40歳になる前に、私の卵子を凍結して保存しておく計画も立てています。それって結構費用がかかるんですよ。だから、そのためにもお金はしつかり貯めなくちゃ。ほら、やっぱりお金は大事でしょう?」

彼女は合意を求めるように、力強く念押しした。