しかし、2番目の夫はキャバクラに年1200万円使っていた
でも2回目の結婚も上手くいかなかった。
そうなったのはなぜ?
「結婚して2年くらいして、そろそろ子供が欲しいって思い始めた頃から、夫の行動に不審なところが出て来たんです。仕事が忙しいのはわかっていたんですけど、なかなか連絡が取れなくなって、それなのにこまめにSNSは書いているんですよね。あまりうるさく言いたくはなかったので、SNSを見続けました。それで気がついてしまったんです。女です。彼、自分名義のマンションの一室に女を囲っていたんです。問い詰めたら生活費も全部面倒をみていると白状しました」
SNSってすごい。行動が手に取るようにわかってしまうのだ。
バレるなどと考えもせずに書いている夫の方もどうかと思うが、見つける彼女の方もただならぬ思い入れである。
「それだけは心配ないと思っていたのに、見事に裏切られました。いちばん腹が立ったのは、浮気そのものよりその女に遣っていた金額です。キャバクラ勤めの女だったんですけど、マンションにタダで住まわせているだけじゃなくて、売り上げにも貢献して毎月100万近く遣っていたんです。それだけで年間1200万ですよ。家賃収入を全部つぎ込むなんて信じられます?」
しかし、あなたはお金があるからと割り切って結婚したのだから、女関係も割り切れるのでは。
「それが、夫はその女と結婚したいから別れて欲しいと言い出しました。いいように利用されているだけなのに、すっかり舞い上がっちゃって。そんな馬鹿な男だったのかと愛想が尽きてしまったんです。お金のない男も嫌いだけれど、頭の悪い男も嫌いです。結局、離婚することにしました。慰謝料は女に遣った金額と同じ、1200万いただきました。やっぱりぼんぼん育ちの男は浮わついてますね」
浮気を擁護するつもりはないが、その時、あなたは「なぜ、夫は浮気したのだろう」ということは考えなかったの?
「それはどういう意味ですか」
3番目の結婚相手はお金の使い道にうるさい男で即離婚
たとえば、お金のことばかり言っている妻との生活に、夫は気が休まらなかったのではないか、とか。
「浮気は浮気です。これは離婚案件として成立する事実です。あんなモテそうもない人でも、やっぱりお金があると女って寄って来るんですよね」
彼女は眉を顰めたが、お金に惹かれたのは彼女も同じである。むしろ、そのキャバ嬢のことを理解できるのではないかと思うが……。
「3回目の結婚は、金融機関勤務の40歳の人で、年収は800万くらいでした。すでにマンションを持っていたので、それならいいかなって。その頃、私も35歳でしたし、同じような失敗は繰り返したくなかったので、人となりをよく観察して、仕事も真面目だし、経済観念もしっかりしていたことがわかったので、お付き合いを始めました。結婚したのは1年ほど経った頃です」
男はお金だけじゃない、とわかったということは、あなたも成長したんだ。
「その時はそう思ったんですけど、やっぱりダメでした。あの人、私のお金の使い方をいちいちチェックするんです」
あぁ、そのタイプだったか。
「無駄遣いなんかしているわけではないのに、レシートをいちいち確認するんです。コンビニでお茶を買っただけで、『なんでスーパーで買わないんだ』って文旬を言われたりして。結婚前にはわからなかったんですけど、とにかくお金に細かいんです。まあ、これまでの元夫のように、外で勝手にお金を使うことはありませんでしたが、それ以上に、私は自分のお金の使い方に文句を言われるのがすごくストレスでした」
それは理解できる。特に、自分で稼いだお金なら尚更だ。
「しかも、彼と2人で外食やお買い物に行く時、自分のクレジットカードを使わないんです。だから、私が支払いをすることが多くて」
それはなぜ?
「クレジットカードは信用できない、不正利用が怖いと言うんです。けれど、私がカード払いするのは構わないのだから、それは変でしょう。お金の使い方に口を出される上に、私のお金を使われるのが耐えがたくて、だんだん顔を見るのもうんざりするようになって、離婚を決めました。けれど、彼はケチなので、慰謝料はもちろん、私が立て替えていたお金も払いたくなかったみたいです。それで弁護士を立てて、合意まで時間がかかってしまいましたけど、なんとか離婚しました。それからすぐに、次の人を探し始めました」
これまた彼女らしい。男を見る目がなかったとグズグズ悩んだりせず、すぱっと切り替える。その性格は長所と呼んでいいのか、難しいところではあるが。