大きかった「中野のコンバート」
9月に入って負けなしの11連勝。周囲が驚くような勢いのまま、阪神タイガースが、18年ぶりに「アレ」をつかみ取りました。
MVPが誰かと問われると判断が難しいですが、誰がチームに最も大きな変化をもたらしたかといえば、岡田彰布監督で間違いないでしょう。もし、岡田監督でなかったら…。
シーズン前に中野拓夢選手を遊撃から二塁にコンバートしていたでしょうか? 右翼の選手をうまく入れ替えることで、ファームの選手たちのモチベーションを保ちながら、ルーキーの森下翔太選手を育てるという戦い方ができたでしょうか?
これは他の誰が監督をやったとしても、なかなかできなかったことだと思います。
ひとつひとつの采配を見ても、勝負どころでの代打起用や、想像できない投手起用など、ほぼ岡田監督の思った通りに事が進んでいるように見えました。
リーグ優勝への貢献度が高かったのは、リーグ唯一の防御率2点台をキープする安定した投手陣でしょう。シーズン序盤、青柳晃洋投手、西勇輝投手という実績ある選手が苦しんでいるなか、村上頌樹投手、大竹耕太郎投手が、その穴を補って余りある活躍を見せてくれました。
湯浅京己投手、浜地真澄投手がいないブルペン陣も、全員でカバーしていた印象がありますし、島本浩也投手、桐敷拓馬投手などの台頭もチームにとっては非常に大きかったと思います。