最大13ゲーム差を逆転された08年の屈辱
岡田監督は、2008年に最大13ゲーム差を逆転され、リーグ優勝を逃した経験があります。そのことがどこか頭にあったのでしょう。
なので春季キャンプから、8月〜9月に勝てるようなチーム作りを意識していたように感じます。勝負どころの9月に入って怒涛の連勝で優勝マジックをあっという間に減らしましたが、その間、すべての試合で先発投手に勝ち星がついたことは、決して偶然ではありません。
細かい登板間隔の調整に加え、思いきって若い投手を起用するなど、先発投手を5人、6人ではなく、7人、8人のローテーションで戦うという形を徹底したことが、ここにきて結実したのでしょう。
結果だけみると、シーズンのどこかでいつか来るであろうと思っていた、本当に苦しい時期がないまま、リーグ優勝まで突っ走ってしまいました。
投手陣が安定していたことで、僅差の試合をものにすることができました。ここまで1点差ゲームが23勝10敗、勝率が7割近くと12球団の中で圧倒的なのも当然だと思います。同一カード3連敗は、ここまででわずかに1度だけ。本当に負けないチームだったと思います。
さらには、8月4日からの横浜DeNAベイスターズとの3連戦3連勝、9月8日からの広島東洋カープとの3連戦3連勝など、追いかけられているチームとの直接対決での強さも際立っていました。
優勝までの戦いを振り返ってみると、いろいろなポイントがあったとは思いますが、個人的には、1点ビハインドの9回表2死ランナーなしから逆転した、5月24日の東京ヤクルト戦の勝利がシーズンの流れを作ったと思っています。
翌日も、同点の延長10回2死ランナーなしから勝ち越しと、ギリギリで勝利をつかみました。結果的には、この2試合が9連勝につながり、5月は19勝5敗と大きく勝ち越し。早い時期に貯金が作れたので、その後も楽に戦え、どんどん思い通りにできるという、いい循環が生まれました。
もし、この神宮での2試合に負けていたら、シーズン全体の流れも変わっていたかもしれません。