11年ぶりに指揮を執る岡田監督に感じた変化

「阪神が今季、3位に入れたのは彼のおかげ」鳥谷敬が挙げた選手名とは?_1
鳥谷敬氏
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昨シーズンは開幕戦で7点差を逆転されて敗れ、そこからまさかの9連敗。17試合を終えて勝率.063だったことを考えれば、今シーズンの阪神タイガースは開幕ダッシュに成功したと言えます。

今シーズンの開幕カードは、昨シーズン9勝16敗と相性が悪かった横浜DeNAベイスターズとの対戦でした。その相手に3連勝できたことは、非常に大きかったですね。WBC(ワールドベースボールクラシック)に日本代表として出場した今永昇太投手の登板がなかったことも、阪神にとってはラッキーだったかもしれません。

次の3連戦は広島東洋カープを相手に1勝1敗で敗たが、広島に対しても、昨シーズンは9勝14敗2分と相性がよくなかっただけに、もしDeNAに1敗でもしていれば、流れが変わっていた可能性があります。

岡田彰布さんは百戦錬磨の監督ですが、実際に指揮をとるのはオリックス・バファローズの監督だった2012年以来、11年ぶりということもあり、いざシーズンが始まってみないとわからない部分も多かったと思います。そういった不安要素があった中でも、開幕からの戦いを見ていると、試合の勝敗を含め、ある程度、監督が想定していた通りになっているのではないでしょうか。

例えば選手の起用法。なるべくレギュラーメンバーを固定して戦いたいという就任直後からの言葉通りになっている一方、控え選手のモチベーションが下がってしまわないような采配も目立っているように感じます。

翌日に先発出場のチャンスを与えようと思っている選手に対して、その前日に代打や守備固めで起用し、暗に「明日はスタメンでいくから準備しておけ」というメッセージを込めるような采配は実に岡田監督らしく、自分たちが現役の頃から変わらない部分です。

常に選手が結果を出すためにどうするべきかを考える監督なので、今の選手たちにとっても、非常にやりやすいのではないでしょうか。

以前と変わったと感じる部分は、マスコミへの発信の仕方です。オリックスでの監督経験や評論家としての経験を踏まえながら、時として考えていることと逆のことを言ったり、言い方を工夫したりという部分に岡田監督流の気遣いを感じますね。自分たちが現役の頃には、あまりそういったことはなかった気がします。