現役時代、ベンチで感じた「山本由伸攻略法」
いよいよ日本シリーズが開幕します。
今年はタイガースもバファローズも素晴らしい投手陣を持っており、特に先発ピッチャーがしっかりしているため、どちらが先に相手の先発ピッチャーをマウンドから降ろせるかがポイントになりそうです。
打者が粘って球数を投げさせて、四球を選んで…とは簡単にいかないと思いますが、それができればタイガースにチャンスあり、逆にそれができなければバファローズが有利なのかなと見ています。
なんといってもタイガースは、38年ぶりの日本一を目指すということもあり、いろいろなプレッシャーもかかってくると思うので…。
第1戦、第2戦はパ・リーグの本拠地で開催されるため、DH制が採用されます。パ・リーグで2年間プレーさせてもらった感覚からすると「木浪聖也選手が8番にいるというタイガース打線の強み」がこれによって少し弱まってしまうのではないかと思います。
DH制が採用されると8番打者よりも、むしろ1番打者につないでいく9番打者のはたらきが大事になるので、はたしてそこに誰を置くのか。例えば、捕手の坂本誠志郎選手なのか、それとも木浪選手を9番において、1番、2番へつなげていくのか。そのあたり岡田彰布監督がどういう考えを持っているかが楽しみです。
バファローズのエース、山本由伸投手は、今の日本球界においてナンバーワンと言っても過言ではありません。
自分が打席に立って打つイメージをしてみましたが、正直に言えば打てません…。1試合120球程度は平気で投げられるスタミナがあるので、球数を投げさせる作戦も効果的とは言えません。すべての球種でストライクがとれるので、すぐに追い込まれてしまいますし、フォークやカーブを意識すると、高めのストレートにどうしても手が出てしまいます。
マリーンズ時代にベンチから見ていた印象では意外に、「ストレートを待っていた選手が違う球種をヒットにする」ことが多いように感じました。ストレートを待って、ストレートしか打たないのではなく、ストライクゾーンにきた球は、球種に限らず積極的に振っていく。その結果、その球がカットボールやツーシームでも、ヒットにできればOKというくらいの割り切りが必要だと思います。