監督の指導歴(現任校)は11年以上が8割

次にチームを率いる監督の指導経験についてみていきましょう。

▼監督の現任校での指導歴
11~20年 45.7%
1~10年 23.9%
21~30年 19.6%
31~40年 8.7%
41~50年 2.2%

▼監督の甲子園(春夏含む)出場回数
1~ 5回 54.3%
6~10回 21.7%
11~20回 13.0%
21~30回  4.3%

データを見ると、監督が11年以上務めているチームは8割近くにのぼります。数年単位で監督がコロコロ替わるチームではなく、1人の監督が腰を据えて強化しているチームが結果を残しているのです。

甲子園強豪校に共通するヒト・モノ・カネとは…「監督は現任校で指導歴11年以上」「部員数は61~100人」「専用グラウンド、留学生あり」_2

今夏の甲子園出場校での最年長監督は79歳の阪口慶三監督(大垣日大)。他にも75歳の持丸修一監督(専大松戸)のような大ベテランも健在です。

監督の指導歴が長ければ、豊富な経験に基づいた確固たる指導論を持っていることは明らかでしょう。また、選手を供給する中学野球チームとの信頼関係ができ上がっているのも、長期政権を可能にするポイントです。

とはいえ、指導歴が短くても甲子園で勝っている監督もいます。

昨夏、東北勢として初の全国制覇に導き「青春って密なので」の名言も話題になった須江航監督(仙台育英)は、2018年に就任したばかり。他にも森大監督(浦和学院)や旅川佑介監督(東京学館新潟)も、監督歴は浅いものの今夏の甲子園に出場しています。

既存の高校野球チームとは一線を画す、斬新な発想でイノベーションを起こそうと奮闘している監督もたくさんいるのです。

野球部の適正部員数は何人か?

調査したなかには3学年合わせて150人前後の部員を抱える大所帯もありましたが、強豪校の部員数はおおむね1学年あたり20~30人程度のようです。


▼部員数
61~ 80人 26.1%
41~ 60人 23.9%
81~100人 23.9%
101~120人 10.9%
21~ 40人 6.5%
121~140人  6.5%
141~160人  2.2%


部員数が多すぎると、練習の効率が悪くなるという問題点があります。1人当たりの打撃練習で打てる本数、守備練習でノックを受ける本数が減るようなリスクがあるのです。その一方で、大勢の部員で練習に取り組むことで一体感が高まり、チームワークが生まれるメリットもあります。

部員数が少ないチームでは練習が効率的に進められるメリットがある反面、競争が生まれにくくなるデメリットもあります。人数に関係なく、選手が集中して質の高い練習ができるよう環境を整備・工夫しているチームもあります。

それぞれの練習環境、指導者の人数、指導者の理念によって、チームに合った適正部員数が見えてきます。