甲子園強豪高に共通するヒト・モノ・カネ…「監督は現任高で指導歴11年以上」「部員数は60~100人」「専用グラウンド、留学生あり」

強豪校には羽振りのいい会社経営者が道具を寄贈?

「甲子園ベスト16以上」の成績を収めた経験がある46校へのアンケート調査を元に研究する「強豪高校野球部のマネジメント」。「ヒト」「モノ」について分析した前編に続き、後編では「カネ」「情報」にまつわるデータをご紹介しながら、甲子園の強豪チームの実態に迫ります。

まずは「カネ」にまつわるデータから。高校野球部の活動資金になるのは、基本的に学校から下りる予算と生徒から徴収する部費になります。データからは「甲子園ベスト16以上」の成績を収めた経験がある46校の年間予算は「11~50万円」が47.8%ですが、強豪高校のほとんどは、その金額だけでは賄えません。

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▼年間予算の金額
11~ 50万円  47.8%
51~100万円  23.9%
無記入  13.0%
201~400万円   6.5%
401~600万円  4.3%
1~ 10万円   2.2%
101~200万円   2.2%


▼金銭支援の有無
あり  71.7%
なし  23.9%
無記入 4.3%

そのため、支援団体である後援会や、OB会、父母会から活動資金を援助してもらうのです。高額の寄付をしてくれる支援者がいると、部の強化に直結します。高校野球部のマネジメントを考えるうえで、お金は非常に重要な要因です。

甲子園常連校になると「羽振りのいい会社経営者が、バットやボールなどの道具を寄贈してくれた」という話も耳にします。

▼年間予算の使用用途(複数回答可)
道具費  91.3%
施設管理費 34.8%
交通費 15.2%
光熱費 13.0%
遠征費 10.9%
その他  2.2%
無記入  2.2%

上記のデータを見てのとおり、野球部の活動予算を圧迫するのは道具費。ボール、バットに代表される道具は消耗品でもあり、いくらあっても足りないのが実情です。

前編でも触れたように、グラウンドの維持費にも金がかかります。そこで建築関係の経営者が野球部のグラウンドや施設を整備してくれることもあるそうです。降雪量の多い地域では、グラウンドの除雪作業をしてくれる会社もあると聞きます。

▼寮費の月額
50,001~60,000円 37.5%
40,001~50,000円 21.9%
30,001~40,000円 12.5%
60,001~70,000円 12.5%
20,001~30,000円  6.3%
70,001~80,000円  6.3%
10,001~20,000円  3.1%

学校に寮を建設・運営する資金がない場合は、寮にまつわる業務を一切民間企業に委託するケースもあるようです。