甲子園常連の伝統校で起きた事件
甲子園常連の伝統校で知られる浜松商業高等学校で、今年2022年に卒業した生徒たちの卒業アルバムが11月17日現在も生徒たちに届いてないことが、集英社オンラインの取材でわかった。
なぜ、生徒たちの思い出が塩漬けにされてしまったのか。
ことの発端は2021年6月までさかのぼる。事件は水泳部の夏の県大会予選の宿泊先のホテルでおきた。
「久しぶりの大会でうかれた男子部員数人が、女子部員の入浴をのぞこうとしたんです。そのホテルは過去にも他校の生徒がのぞきをして問題がおきたホテルで、一部体育会の生徒のあいだでは有名でした。『あそこならいける』と思ったのでしょう。よくある漫画のワンシーンのように男たちは風呂から全裸でのぞきを試みました。ですが、排水溝の溝からのぞこうとしても足のくるぶししかみえない、ある生徒が壁をよじのぼってスマホをかざしたところ女子生徒にばれ、顧問は大激怒。
幸いスマホの撮影は失敗していたため女子生徒の体は写っていませんでしたが、警察沙汰となり、のぞきをした男子部員は大会にでることなく家に帰されました」(浜松商業PTA関係者)
男子生徒たちは謹慎の後、学校側から促されて自主退学、別の高校へと転校したという。
だが、学校側の追及は実行犯だけではおさまらなかった。
「例えのぞきをしなくても、現場にいて止めなかった生徒も同罪だというのが学校側の言い分で、退学を勧めてきたんです。その結果、3年生のAくんをはじめとした3人の生徒の保護者が『息子にも非はあるが、のぞきをした生徒と同罪は重過ぎる』『納得がいかない』などとして校長と県を相手に退学取り消しを求める裁判を起こしたんです」(前出)
2月8日、静岡地裁は「(退学処分を下した)校長の判断は裁量権を超えて違法」とし、Aくんへの退学処分の取り消しを命じた(残る2名の請求は棄却)のだが、同月学校側は不服とし控訴した。