夢のようなアルゼンチンタンゴ漬けの日々

浅田舞、人生初のアルゼンチンタンゴ留学記。「おでことおでこ、鼻と鼻が触れ合う距離感で踊るんです」“男女ふたりだけの世界”のダンスに浸る旅_1
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今年の春、私は人生で初めて南米アルゼンチンを訪れました。約2週間にわたるアルゼンチンタンゴ留学です。

今年1月にアルゼンチンタンゴの舞台に初めて出演させていただいたことをきっかけに、ご縁があって、本場アルゼンチンでタンゴを学ばせてもらうことになりました。

7月15~17日に行われる舞台『ラミーロ・ガジョ・グランオルケスタ特別来日公演』で、私はアルゼンチンタンゴを3曲踊るのですが、そのうちの1曲でアルゼンチンの世界チャンピオンとパートナーを組みます。この留学でその方に初めてお会いして、振り付けをしてもらうことに。生バンドの迫力満点の演奏をバックに踊り、ロマンチックなひとときを過ごしました。

首都ブエノスアイレスに滞在した約2週間は、夢のようなアルゼンチンタンゴ漬けの日々。レッスンを受け、仲間と夜ごはんを食べたら、23時ごろからアルゼンチンタンゴのショーを見に行き、ホテルに帰るのは深夜2時、3時。毎日2万歩くらい運動していたので、日本に帰る飛行機では記憶がないほど爆睡しました(笑)。

アルゼンチンは南米なので、ブエノスアイレスの街もビビッドな色合いなのかと思っていたら、思い描いていたよりもヨーロッパのような街並みや空気が流れていて。街を歩けば、どこからともなく音楽が聴こえてきて、お店に入れば、サッカーの試合がテレビで必ず流れていました。

“南米のパリ”と呼ばれるブエノスアイレスは本当に素敵な街。緑豊かで歴史的建造物が並ぶ美しい街並み。エネルギーあふれるタンゴの文化。愛され続ける音楽。賑やかなマーケット。ほかにもこの街でしか感じられない魅力がたくさんありました。

ブエノスアイレスはスペイン語で「いい空気」を意味する言葉だと、現地で教えてもらいました。なんてぴったりなんでしょう。その名の通り、素晴らしい空気に満ちていました。私は以前、写真集の撮影で中南米のキューバを旅したことがあるのですが、あの空気感にもどこか似ていたような……。南米の雰囲気が私に合っているのかもしれません。

浅田舞、人生初のアルゼンチンタンゴ留学記。「おでことおでこ、鼻と鼻が触れ合う距離感で踊るんです」“男女ふたりだけの世界”のダンスに浸る旅_2