一息つきたいときのお供として食べてほしい

「キットカット」が目指すものは、目先の利益にとらわれないものだと村岡氏は語る。

「“キットカット”は、お客様に長く愛し続けてもらうためにも、長期的で持続可能な成長を目指しており、持続的にお客様とブランドを通したコミュニケーションを行っています。いわば常にいいものを更新し、提供していくという姿勢が“キットカット”にとって一番の強みになっていると言えますね」

それは、自分たちのみならず、チョコレート市場のメーカーも同じだという。

「チョコレートを販売する会社は国内にも多いですが、ネスレ日本はチョコレート市場全体を盛り上げていきたいと思う一心で活動を続けています。“キットカット”は、幸運にも業界トップクラスのシェアを誇っていますが、自分たちだけよければという考えで活動しているとチョコレート市場は一気に下火になってしまうでしょう。むしろチョコレートを手にする人が増えれば、さまざまなチョコレート商品が市場で販売されますし、“キットカット”を手にする人も比例して増えていくと信じています。ネスレとしてはお客様にチョコレートを楽しんでいただける環境が理想だと考えています」

キットカット上陸50周年。世界で1秒間に約405本製造販売さるチョコ菓子の王様が、 売り上げ低迷期を乗り越えたきっかけは“九州弁のダジャレ”だった_5
キットカット上陸50周年。世界で1秒間に約405本製造販売さるチョコ菓子の王様が、 売り上げ低迷期を乗り越えたきっかけは“九州弁のダジャレ”だった_6
2010年からは大人向けのフレーバーも展開。仕事で疲れているときに一息ついてみる?
すべての画像を見る

日本上陸50周年を迎え、さらなる発展を見せてくれるであろう「キットカット」。日本に根付く独特な文化とともに、「キットカット」はどこへ向かうのか。

「コロナ禍が緩和されてきましたが、まだまだ人々は何かに躊躇してしまうことがあるかと思います。前向きな一歩を踏み出していただく後押しのようなサポートを、“キットカット”を通して行っていきたいですね。

“キットカット”のスローガンに『Have a break, have a KitKat.』という言葉があります。欧米には会議の途中にブレイクタイムと称してお菓子を食べる習慣がありますが、日本ではこうした習慣はあまり根付いていません。でもだからこそ、一息つきたいとき、リフレッシュしたいときに“キットカット”を食べて、前向きになってもらえれば幸いです」

取材・文/文月/A4studio