今、部員だったら「ロシア密入国を目指すかな」

――高野さんのような生き方が簡単ではないからこそ、「罪悪感を覚えながらも就職していく」という探検部員が多いんでしょうね。

「探検部内負け組」ね(笑)。でも、ビジネスでも探検的なことはできると思いますよ。

――次の質問です。「インターネットでつながってしまう時代ですが、現地に行く意味、大切さは昔と比べて変わっていませんか?」

現地に行かなくてもわかることは増えていますが、ネット上の情報ってすごく偏っているわけですよ。

読まれるニュースばかりが量産されて、消費されていく。そして、そこから外れた情報は「アクセス数が伸びない」という理由で切り捨てられるから、伝わっている情報と伝えられてない情報の格差が激しくなっていってるんですよね。

現地に行って、地元の人と一緒に畑仕事や飲み会をしたり、スーパーに出入りしたりしていると、ネットにないものがたくさんあると感じます。

なので現地に行く意味はまだまだある。むしろ、現場に行く人が減っているぶん、その価値が相対的に上がるという側面もあるかもしれません。

――最後の質問です。「高野さんが今、探検部にいたらどんな活動をすると思いますか?」

なんだろう……でもやっぱり、僕はロシア密入国を目指すかな。シベリアって今でも知られていないところが多いし、今、国があんな状態でしょ? 日本や西欧からの研究者も入れなくなるし、そういうところに行きたいと思うでしょうね。

今の時代、SNSで叩かれたりするかもしれませんが、別にいいんですよ。若気の至りじゃすまないと言われることもあるけれども、実際はすむと思うんですよ。

だから現役部員には、若いときにしかない体力やエネルギーをバーンと爆発させるようなことをやってほしいですね。

――爆発させるにあたって、助言やアドバイスはありますか?

とにかくやってみる。それだけですね。

「アヘン王国に潜入」「コンゴで本気で怪獣探し」早稲田探検部レジェンドOB・高野秀行が語る“誰もやらない生き方”「40代まで売れなくて…」_6
ネパールにて
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終わり

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取材・文/寺井麻衣
写真提供/高野秀行
編集/一ノ瀬 伸