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貧血になると氷が欲しくなる?
病気の兆候は、発熱や痛み、苦しさだけではない。ときに思いもよらない、とても意外な形で現れることがある。それらのひとつに、ある病気の症状として、あるものを異様に食べたくなることがある。
それは「氷」だ。
氷を無性に食べたくなる症状、と書いてそのまま“氷食症”と呼ぶ。「氷を食べたくなったから病気ではないか?」と前提知識なしに疑える人はなかなか勘が鋭い。
ちなみに、氷を食べたくなるといっても、夏の暑い時期にかき氷を食べたくなることをいっているのではない。氷食症になると、夏どころか、冬の寒い時期でも冷蔵庫で凍らせた氷をボリボリ食べたくなってしまう。
しかし、これは一体何の病気の兆候なのだろうか?
それは“貧血”だ。
貧血自体が病気というよりは、たとえばがんや、女性であれば子宮の腫瘍などで慢性的な鉄分不足による“鉄欠乏性貧血”という状態になることで、氷食症が引き起こされる場合は多い。なお普通に生理の量が多いだけでも貧血になるため、女性にきわめて多い症状である。
氷が食べたくなる現象と病気がまったく結びつかず、もはや習慣になってしまっている人もいる。