脂肪肝を放置するとどうなる?
肝臓はかなり多種多様な仕事をしている。アルコールをはじめとした体に不要な「毒素」の解毒や胆汁を生成する「工場」としての役割など。酒を大量に摂取したり、脂っこい食べ物を頻繁に摂取した際、人知れず肝臓は沈黙して仕事をしている。
そしてなんといっても「エネルギーの工場」としての役割も担っている。肝臓に貯められるエネルギーは大きく2種類にわけられる。
ひとつは“グリコーゲン”だ。
グリコーゲンは寝ているときや激しい運動でエネルギーがたりないときなど、比較的すぐ使うためにストックしておくためのエネルギーである。
そして、もうひとつがご存じ“中性脂肪”。中性脂肪はグリコーゲンとは違い、もし今後食事がとれなくなったときや、飢えの状態になってしまったときに使うため、長い目でみて安全策として溜めておくよう人間の遺伝子にプログラムされたものなのだ。
現代では、ほとんどの場合飢餓になることがないので不要といえば不要なのかもしれない。が、何が起こるかわからないし、そもそも人間の遺伝子でそのようにプログラムされているのでどうしようもない。
グリコーゲンは長く溜めておくものではないので、貯蔵庫のスペースはそこまで広くはない。余った分はどんどん中性脂肪として肝臓に溜められていく。
そしてこの中性脂肪がコツコツコツコツ蓄積し、肝臓の細胞の30% 以上溜まり、いわばフォアグラ状態になってしまった状態。この状態になれば“脂肪肝”の完成だ。