検証の結果「全局で芦田愛菜を見ない時間帯というのはない」

結論としてまず「全局で芦田愛菜を見ない時間帯というのはない」というのがわかった。
すべての時間帯にどこかしらの局で必ず芦田愛菜は見られる。ド深夜の1時〜3時だけ少し危うかったが、2時過ぎにTBSでワイモバのCMが流れて、本説立証。

もう少しCMの中身を見ていくと、本検証時に多かった芦田愛菜CMは、日立、SBI損保、ワイモバイルであり、この3社で約9割を占めた。

季節にもよるが、今、テレビCMの量が多い業界は、携帯電話・ネット保険・転職サイト・自動車・家電・宝くじといったあたりである。
芦田愛菜の強みはこれらの業界ほぼ全部でCM起用されているというところだ。

ただ、この週は「転職サイト」のタウンワーク(木村拓哉との共演)、「自動車」のスズキ スペーシアがシリーズの切り替え期でオンエアがほとんどなかった。いわば芦田愛菜閑散期であったにもかかわらず、これだけ各時間帯でCMが流れているのだからすごい。もし週をずらして検証すれば、全局◯というブロックが複数あったかもしれない。

ちなみに今回唯一の全局◯となったブロックは意外にも23時〜1時であった。そこでも日テレは日立、TBS・テレ朝はSBI損保、フジ・テレ東はワイモバと見事にばらけていて、1社頼みではない芦田愛菜の強みがよくわかる。

芦田愛菜率でも我が道をいくテレビ東京

局による芦田愛菜率の違いも気になった。
やはり目を引くのはテレビ東京の芦田愛菜率の低さである。

テレビCMには「タイムCM」と「スポットCM」という種別があり、前者は特定の番組にのみCMが流れるようなパターンで、後者は契約している時間帯の(たとえば土日全日・平日ゴールデンタイムみたいな)どこかで流れるようなパターンだ。

芦田愛菜が出ているのは比較的スポットCMで流すような企業広告だが、テレビ東京は釣り番組の釣具メーカーや、アニメ・特撮のおもちゃメーカーなどタイムCM率が高い。そういった事情もあり、芦田愛菜率が比較的低かったと思われる。

あとはさすが唯一のレギュラー番組『博士ちゃん』放送時のCMは芦田愛菜祭り。スズキ スペーシアの芦田愛菜バージョンCMはここだけで流れていた。

この4月に名門大学への進学が決まったと噂される芦田愛菜。
進学後の仕事のペースをどうするかはまだわからない。

しかし今の好感度からすれば、引き続き多くの企業が彼女をイメージキャラクターとしたいと考えるだろう。世間の優等生イメージを一身に背負う苦労は並大抵ではないだろうが、小さい頃から表舞台に立ってきた彼女なら、きっと涼やかな笑顔でこなしていくだろう。

「芦田愛菜をテレビで見ない日」は、たぶんしばらく訪れない。

文/前川ヤスタカ イラスト/Rica 編集協力/萩原圭太