すべり込みで獲得したシード権
前回の箱根駅伝の10区では、青山学院大が独走で優勝を飾った一方で、10位までに与えられるシード権争いには最終盤にまさかのドラマがあった。
10位を走っていた東海大の選手がペースダウンし、残り1㎞でシード権争いに逆転劇があったのだ。ぎりぎりシード権をもぎとったのが、法政大。アンカーにタスキが渡った時点で1分22秒あった東海大との差を逆転し、10位にすべり込んだ。
もちろん、法政大のアンカー・川上有生(当時3年)が、最後まで諦めずに懸命に走ったからこそのシード権獲得だ。しかしながら、東海大の選手の失速がなければ、そのまま東海大が10位だった可能性もある。勝負に「タラレバ」は禁句とはいえ、どうしても“棚からぼた餅”の印象が残った。
「過去最高のチーム」と監督も自信
ただ、今秋以降の法政大の奮闘ぶりを見れば、前回のシード権がフロックではなかったと示すのに十分ではないだろうか。
「秋シーズン、出雲駅伝に始まり、彼らはハーフマラソン等々で結果を残してくれている。過去最高のチーム状態と言っていい。うれしい悲鳴ですが、メンバーを選ぶのに非常に頭が痛いです」
法政大の坪田智夫・駅伝監督は、悩み抜いた末に選んだ16人に大きな期待を寄せている。
前半シーズンは、主将の内田隼太(4年)が絶好調。さらに、これまで学生駅伝で出番がなかった松永伶(3年)が大ブレイクを果たすなど、見せ場もあった。