第1位:『ウィッカーマン』(1973年)

【洗脳注意】オウム真理教、旧統一教会にも劣らぬ怖すぎるカルト宗教映画ベスト5_5

カルト宗教映画の金字塔といえば、やはり『ウィッカーマン』(1973年)。ニコラス・ケイジ主演のリメイク版(2006年)ではなく、ロビン・ハーディが監督を務めたオリジナル版の方である。

敬虔なキリスト教徒にして、実直な巡査部長でもある主人公。とある僻地で失踪したという少女の捜索願を受けた彼は、昔ながらの異教はびこる〝サマーアイル島〟へとはるばる赴く。理解し難い信仰、一向に進展しない調査、「その少女はすでに死んでいる」と告げる島民たち。
困惑する主人公は、そのうち「少女はまだ生きており、なんらかの生贄に捧げられるのだ」という結論を導き出し……。

舞台のサマーアイル島で幅を利かせている、いわゆるペイガニズムは、男根崇拝を筆頭にいかにもおどろおどろしいものだ。一方、作中では〝かつて島を買い取った先々代の領主が、住民たちを統治するため、意図的に異教を活用し始めた〟という背景が明かされており、神秘性や素朴さとは真逆の合理的説得力を伴ってもいる。

島民たちが様々な仮装に身を包み始める後半の薄気味悪さも魅力的だが、異教を信仰する人々の日常風景が垣間見える前半もまた味わい深い。そしてタイトルの〝ウィッカーマン〟の登場と、衝撃の結末。胡散臭い島民たちや、逆に島では異端とされるキリスト教の扱い、下品な歌も含め、見所は満載だ。

以上が、カルト宗教が登場する映画5本である。どの作品にもそれ相応のクセの強さはあるが、個人的にはお気に入りのものばかり。ぜひとも鑑賞し、その内容を崇め、知人友人に布教していただきたい。

文/知的風ハット