著名シェフたちが殺されるのは得意料理の調理法!

『料理長殿(シェフ)、ご用心』(1978)Who Is Killing the Great Chefs of Europe? 上映時間:1時間52分/アメリカ

【恐怖×グルメ】は最高のマリアージュ!?  怖すぎる食欲減退ムービー5選_4
左から、ロビー(ジョージ・シーガル)、マックス(ロバート・モーレイ)、ナターシャ・オブライエン(ジャクリーン・ビセット)
Everett Collection/アフロ

最後に、もう少し肩の凝らないグルメ・サスペンス・コメディをご紹介しよう。

『料理長殿、ご用心!』(1978)は、1970年代に人気を博したキュートな女優ジャクリーン・ビセットの代表作。

大富豪で、料理雑誌を発行する料理評論家の大家でもあるマックス(ロバート・モーレイ)は、雑誌の特集で“世界で一番美味しい4皿の料理”という記事を出す。これが大きな波紋を呼ぶことに。

4皿に選ばれたのはロンドンのコーナー(ジャン=ピエール・カッセル)の作るハトのグリル焼き、ヴェネチアのゾッピ(ステファノ・サッタ・フロレス)のロブスター料理、パリのムリノー(フィリップ・ノワレ)のフレンチ、そして絶品ケーキを作るパティシエ、ナターシャ・オブライエン(ジャクリーン・ビセット)の作るデザート。

選ばれなかった有名シェフ(ジャン・ロシュフォール)が、コーナーの店にいるマックスに抗議するため駆けつけた翌日、コーナーがグリルの中で黒焦げ死体になって発見される。

次にヴェネチアで、ゾッピがロブスターの水槽の中で水死体で発見され、ムリノーもまた……。ひとり残されたナターシャを救うべく、元夫で大衆料理チェーン店経営者のロビー(ジョージ・シーガル)が奮戦する。

誰が真犯人かはお楽しみだが、シェフたちが自分の得意料理の調理法で殺されるブラック・ユーモアがスパイスとなり、猟奇的連続殺人を描いた映画なのに、おしゃれな世界観をまとっている。

登場する料理は“ヌーヴェル・キュイジーヌ”の旗手で、リヨン郊外の三ツ星レストランのオーナー・シェフだったポール・ボキューズが監修しているので、どれも本当に美味しそうだ!