下着の線や撮影開始時間にも注意

合意が取れたら、同意書の作成をサポート。撮影に向け、さまざまな準備を進めていく。

「通常、日本の撮影現場で前貼りを用意するのはメイクさんですが、『前貼り、どうしますか?』と聞くと、だいたい『やってください』と言われます。私の方で前貼りを用意して、必要なら現場でつけるお手伝いもします。

「下着を付けないで現場まで来てください」リアルなセックスシーンを撮るために、インティマシー・コーディネーターが心がけていることとは_2

女性で気をつけるのは、下着の線。夜に性行為をして、朝、裸で目を覚ますというシーンがあったときに、下着の線がついていたら、『あれ?』と思いません?

それだけでリアリティがなくなるので、『撮影当日は、下着をつけずに現場に来れますか?』とお願いします。ただ、電車で来る方もいらっしゃるので、その場合は事務所に『その日は車を出していただけますか?』とお話をします」

さらに撮影する時間帯にも気を配るという。

「疑似性行為は、できるだけ朝イチに撮影できるよう、チーフ助監督にお願いします。そういうシーンがあると、特に女性は、あまり食事をとらないんです。夜になるほどお腹が空いた状態で臨むことになるので、早めがいい。
あと女性は、生理の周期に当たったら、通常以上のケアが必要です。そういったことを一挙に引き受けて、撮影に臨みます」