国税庁ウェブサイトへの氏名公開は必須

2023年10月1日より導入されるインボイス制度。実質的増税による収入減少や取引機会の喪失、無駄な事務処理の増加など、一般国民が多大な不利益を被るため、百害あって一利なしの制度と言えることは、これまでも述べてきたとおり。

*インボイス制度の問題点を詳しく知りたい場合は「STOP! インボイス」ウェブサイト参照

さらに、このインボイス制度は、ペンネームや芸名で活動するクリエーター(VTuber・YouTuber・漫画家・作家・アーティスト・俳優・声優 等)の本名を含む個人情報を、国税庁がウェブサイトで全世界に公開し、誰でも全件ダウンロードできる上、商用利用も可能という信じられない制度設計になっている。いったい、どういうことなのか。

インボイスによって本名がバレる仕組みは筆者が6月に公開した記事「インボイス制度導入で「あの漫画家の本名がバレる」は本当か?」でも概要をお伝えしたが、今回はさらに詳しく説明する。

まず、法人ではない個人事業主の場合、インボイス(適格請求書)発行事業者の登録時に申請した「氏名」(=戸籍に登録されている、いわゆる「本名」)は「登録番号」「登録年月日」などと共に国税庁ウェブサイト(正式名称:適格請求書発行事業者公表サイト)での公開が必須となる。「屋号」「事務所所在地」の公開も任意で可能だが、これを公開したところで、必須項目である「氏名」の公開を免除される訳ではない。

*公開される項目、必須・任意の区分は国税庁Q&A「問 20  適格請求書発行事業者の情報は、どのような方法で公表されますか。【令和4年4月改訂】」の記載に従う