全件ダウンロードでわかった衝撃の事実
実は、すでに国税庁ウェブサイト(正式名称:適格請求書発行事業者公表サイト)では登録済み事業者の個人情報が公開されている。そして、その個人情報は全世界から誰でもアクセスでき、全件ダウンロードできる上に、商用利用も可能という衝撃的な仕様になっている。
方法は驚くほど簡単だ。国税庁ウェブサイトの「全件データのダウンロード」のページで、区分が「個人」(=個人事業主を指す)のzipをクリックしてダウンロードするだけ。
全件ダウンロードしたcsvファイルを開いて、筆者は驚愕した。実に195,935件(2022年8月末時点で登録済みの個人事業主の数)の個人情報が、丸見えだったからだ。必須項目である氏名は全件が公開。
さらに、任意項目の「事務所所在地」は17,992件(全体の9.2%)、「屋号」は38,267件(19.5%)が公開されていた。この杜撰な個人情報管理の衝撃は、実際に体験しないと伝わらないので、興味がある方は上記の手順をぜひ試してみてほしい。
ご覧の通り、個人事業主は一切の例外なく、本名が国税庁ウェブサイトで公開されているのだ。しかし、これだけでは「氏名・登録番号・登録年月日がセットで公開されるだけで、芸名・ペンネームとは紐付かず、本名はバレないのでは?」と思うだろう。そこはこれから詳しく説明していこう。