釣竿のテクノロジーで超軽量を実現
見た目はシンプルな作りだが、手に取ると「えぇ?」と思わず笑ってしまうほどの軽さに驚かされる。これは2017年にアパレル・ブランド「ディーベック(D-VEC)」が発売した「カーボンテクノロジーアンブレラ」という折りたたみ日傘だ。50cmサイズで本体重量約76グラムという超軽量。追加モデルである2020年発売の「1級遮光カーボンテクノロジーアンブレラ」とともに、就活男子たちから真夏の会社訪問に便利だと、口コミで広がり、今や入手困難という。「ディーベック」を擁するグローブライド株式会社(東京都東久留米市)の担当者から、表参道ヒルズにある同ブラント直営店「ディーベック トウキョウ エクスクルーシブ」で話を聞いた。
グローブライドは釣具やスポーツ用品を製造・販売している。前身はフィッシング・メーカーとして60年の伝統を持つダイワ精工株式会社といい、2009年に現在の商号「グローブライド」に変更した。
「アパレル・ブランドの『ディーベック(D-VEC)』を立ち上げた際に、ダイワの技術を活かしたアイテムを考えました。そこで、長年培った“水のアウトドアを知りつくした技術”を盛り込んだ折りたたみ傘を開発したんです」(グローブライド担当者)
ダイワは釣具のリールに使用する素材として、1970年代にカーボングラファイト(炭素繊維)を世界で初めて採用。釣竿でも高性能のカーボンを開発することで「カーボンのダイワ」として世界的に評価された。「カーボンテクノロジーアンブレラ」にはそのカーボン技術が投入され、大幅な軽量化を実現した。