後任を辞退した人物から直接連絡…保護者が戸惑った理由

さらにこの後、思わぬ出来事に見舞われることになる。Sさんは続ける。

「自分の中で気持ちを消化しきれず、SNSに匿名で一連の事態について投稿しました。すると、すでに引き継ぎを辞退された後任予定者だった先生が、その投稿から私を特定し、携帯電話に2回着信があったのです。さらに、個人のメールアドレスにも『お話ししたいことがあります』という連絡が届きました」

辞退した指導者からSさん宛に着信があったという(写真/Sさん提供)
辞退した指導者からSさん宛に着信があったという(写真/Sさん提供)

後任を辞退したはずの指導者から、自身の携帯電話番号やメールアドレスに連絡があったという。教室運営のために登録した連絡先をなぜ無関係の人物が私的に利用しているのか、コンプライアンス違反なのではないか、と不安を覚えたSさんは、個人情報の管理体制に疑問を抱き、公文の本部に問い合わせを入れた。今後の対応について書面での回答を求めたところ、「電話でなら対応する」と言われ、その対応にも不信感を募らせているという。

Sさんは、教室運営の変更が続くなかで、子どもの学習環境について十分な説明がないまま進んでいるのではないかと懸念を強める。

「何よりも一番大切な存在であるはずの子どもがずっと置き去りにされ、大人の都合で振り回されていることが一番の問題だと思います」

先の見通しが立たない中、月謝を払い続け現在も同じ教室に子どもを通わせているSさん。なぜ、退会や教室の変更という決断をしなかったのか。

記者の問いにSさんは複雑な胸の内をこう明かした。

「公文の教材は良いものですし、長年毎日コツコツ親子共々苦労しながら続けてきた積み重ねがあります。子どもが唯一自分で『頑張っていること』として公文の名を出すくらい努力してきました。

また、通いやすさ、送迎のしやすさも継続している理由です。乳児2人を連れて送迎をすることを考えると、簡単に教室を変えられませんでした」

本件を踏まえ、編集部は教室運営に関する対応方針について、当該教室の窓口となっている公文のフリーダイヤル経由で広報チームに問い合わせを入れた。

教室の指導者が長期間不在となった場合の対応について尋ねたところ、「可能な限り生徒の皆さまが学習を継続できるように努めております」と回答があった。また、退任した指導者から保護者へ連絡があったとの相談が寄せられた場合の対応については、「ご相談内容を確認して対応させていただきます」としている。

指導者の急な体調不良や後任予定者の辞退は、教室側にとっても予期しづらい事態だったとみられる。公文側も、生徒の学習を継続させるため、スタッフや他教室の指導者による支援体制を整えようとしていたようだ。

その一方で、保護者にとっては、教室運営の見通しや子どもの学習環境について十分な説明があったのかという不安も残る。Sさんは今後も、子どもが安心して学べる環境が整うことを願っている。

(写真/PhotoAC)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班