「金太郎、会社を救う。」(集英社文庫・コミック版8巻収録)

「仁義を心得ぬクソ銀行は潰れてしまえ」

会社にとって一番必要なものは何なのだろうか。

『サラリーマン金太郎』第79話では、金太郎たちが進めてきた、全国のパチンコ店と場外馬券売り場を組み合わせた総合レジャービル構想がついに大きく動き出す。

日本最大の暴力団「山王会」が金太郎の頼みによって計画への不介入を決め、ARA(全日本競馬会)や金崎興業も前向きな反応を見せる一方で、ヤマト建設そのものは東京昭和銀行側の主導で乗っ取られかけ、会社は解体寸前に追い込まれていた。そんな土壇場で動いたのが、大富豪で裏社会をも仕切る中村加代である。

東京昭和銀行は、ヤマト建設には知名度も営業能力も技術も資産も、会社として存続させる魅力がないと切り捨てる。そこへ加代が現れ、200億をポンとヤマト建設に貸し出し、さらに平成銀行から3000億円を引かせることで、ヤマト建設と東京昭和銀行の関係を一気に断ち切ってしまう。

そして東京昭和銀行にこう言い放つ。

「お前のところのように、仁義を心得ぬクソ銀行は潰れてしまえ」と。

さらに頭取に向かって、こう畳みかける。

「ヤマトには知名度も営業能力も技術も、そして資産も、まったく会社として存続させる魅力を感じないと言ったそうだな」「それをすべてひっくるめて最も大事なものは、人間だろう! 人材こそがその会社の宝だ!」

加代は、数字だけを見て会社を切る銀行より、その底にいる人間の力を見ているのだ。

結局、仕事や商談は人と人とのつながりの上にある。どれだけ看板や資産があっても、人がいなければ会社は立ちゆかない。逆に、そこにいる人間に力があれば、会社はまだ立て直せる余地を持つ。

会社を支えるのは、看板でも資産でもない。最後にものを言うのは、そこにいる人間だ――。気分爽快となる加代の啖呵シーンを、ぜひ漫画で読んでほしい。