「金太郎、襲撃さる。」(集英社文庫・コミック版8巻収録)

ヤクザ相手に説教する金太郎

『サラリーマン金太郎』第77話では、場外馬券売り場の利権に踏み込もうとした金太郎が、ついに日本最大の暴力団「山王会」に目をつけられる。

元警官である金太郎の部下・早田は必死で止めようとするが、金太郎はそれでも引かない。やがて待ち伏せされ、多人数に囲まれて徹底的に打ちのめされる。

そんな中で光るのが、椎名の存在である。

椎名は金太郎の暴走族時代の特攻隊長で、いまは父親の跡を継いでヤクザの親分になっている。金太郎が踏み込んだ世界とは真逆で、彼とは立場もなにもかも変わった。だが、それでも椎名にとって金太郎は、今も変わらず“金ちゃん”なのだ。

金太郎のことで山王会から圧力をかけられた椎名は、本来なら引かなければならない立場にある。それでも「矢島金太郎に指一本でも触れたら、俺は一戦やらせてもらいますよ」とまで言い切る。

そして、闇討ちされてボロボロになった金太郎のもとへ駆けつけ、山王会の親玉・本城総裁の居場所を告げる。

金太郎が「お前……まだ俺のダチなんだな……」とこぼすと、椎名は「あぁ……あぁ……一生マブダチだよ」と答える。

金太郎に惚れた男は多いが、この回の椎名はやはり特別だ。金太郎と言葉を交わす椎名のまっすぐな表情を、ぜひ漫画で読んでほしい。