「修復が完了するまで販売停止となりますので売上に影響が出ます」

自動販売機ねらいの犯罪が減少している背景には、自動販売機の設置台数自体の減少もあるとみられる。自販機や金融機器(ATMなど)の現金取扱機器の総合的な発展・普及促進を図る業界団体である「日本自動販売システム機械工業会」(JVMA)のデータによれば、2025年12月時点における自動販売機および自動サービス機の国内普及台数はおよそ388万台。2014年の503万台から大きく落ち込んでいる。

こうした状況が防犯対策に与える影響について、前出の飲料メーカー担当者はこういった認識を示す。

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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「自動販売機事業は、商品の補充や日常的なメンテナンスなど、引き続き『人』の関与が不可欠な事業であることから、人手不足や燃料費をはじめとする各種コスト上昇といった事業環境の変化への対応は、重要な課題だと認識しています。

写真はイメージです(PhotoAC)
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こうした環境変化を踏まえ、収益性や運営効率の観点から、自動販売機の設置先を適宜見直し、高収益が見込めるロケーションへの再配置や新規設置をあわせて進めています。

また、防犯対策については、最終的に商品を購入されるお客様に安心・安全にご利用いただくべく、設置環境や状況に応じて、必要かつ適切な対策を講じています」

また、アサヒグループホールディングスの担当者も「当社自販機での盗難は減少しています」としたうえで、考えられる要因として「キャッシュレスの伸長や防犯カメラ設置の拡大」を挙げ、「防犯カメラが薄い地域はリスクがあるかと思います」と話す。

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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窃盗被害が発生すると、修理費や営業停止による損失など、負担は多岐にわたる。

「自販機損傷による修理や、修理が出来ない場合は自販機の入替など、不要な費用が発生します。修復が完了するまで販売停止となりますので売上に影響が出ます。

限られた人員で活動をする中、盗難が発生すると被害届の提出などが必要となり、貴重な営業活動時間にロスが生じます」

こうした状況を受け、同社では一部の自治体や団体と警察が連携した防犯カメラ付きの「みまもる自販機」を展開。周辺地域の安全・安心への貢献につなげていくという。

みまもる自販機(写真/アサヒグループホールディングス株式会社提供)
みまもる自販機(写真/アサヒグループホールディングス株式会社提供)