川村被告もいじめを受け「自殺をほのめかすこともあった」と父

「死をもって償ってもらいたい。一生刑務所に入って償ってほしいと思っていると思います」

被告人質問で弁護人から「遺族が何を望んでいると思うか」と問われた川村被告は、そう答えた。

長谷さんに殴る蹴るなどの暴行を加え、金品を奪ったとして起訴されたのは、八木原亜麻被告(当時20)とその友人の川村被告、当時18歳の元アルバイトの川口侑斗被告、同じく当時18歳の元高校生・瀧澤海裕被告、そして当時17歳で川村被告の交際相手だった少年Aと16歳だった少年Dの6名。

このうち川村被告、瀧澤被告、少年Dの3名の裁判員裁判が5月25日から開かれている。裁判では、長谷さんを外傷性ショックで死に至らしめた、陰惨な2時間に及ぶ集団リンチの全容が明かされてきた。

川村被告と八木原被告
川村被告と八木原被告
すべての画像を見る

札幌地裁は3日、金品を要求した後の暴行が長谷さんの死亡に大きく影響したと認定し、強盗致死罪が成立するとの中間判断を示していた。強盗致死罪は原則、死刑か無期懲役と定められている極めて重い罪だ。その量刑に注目が集まる中、5日、川村被告への論告求刑が行われた。

「検察側は『強盗や金品の要求は自発的な行動で、同調圧力とは説明できない』『川村被告の役割は重要。原因を作り出した』と指摘。情状酌量の余地はないとして無期懲役を求刑した。川村被告は表情を変えず、うつむいて手元の資料をじっと見つめていました」(社会部記者)

一方で弁護側は「犯行に計画性はなく、暴行は偶発的なものだった」などとして、13年の有期懲役が相当であると主張している。

「弁護側はこれまでの公判で、川村被告が高校、大学時代にいじめを受けていた経験から、周りの空気に流され、従ってしまうような性格だとして情状酌量を求めている。

証人として出廷した川村被告の父親はいじめについて、『暴言を受けたり、飲み物に何か入れられたり、靴を隠されたりしていた。死にたいと自殺をほのめかすこともあった』と語り、『やられたらやり返せ』と指導し、ケースバイケースではあるが、『殴られたら殴り返せ』とも伝えていたと明かした」(同前)