「いつか日本で働けなくなる」という不安があった

──まずはスウェーデンから日本に来たきっかけを教えてください。

母が東京・葛飾区の出身で、子どもの頃は5年に1度スウェーデンから母の実家に遊びに来ていました。10歳くらいのときテレビでかわいい洋服を着たアイドルたちが歌っているのを見て、「自分もこんなふうになりたい」と思ったんです。

スウェーデンでは公共放送の2チャンネルしかなかったので、日本のテレビはとても輝いて見えて「夢の箱」のような印象を持っていたんですよね。その記憶がずっと心に残り、18歳のときに来日しました。

「日本大好き」という言葉とともに永住権取得を公表したLiLiCoさん 写真/本人提供
「日本大好き」という言葉とともに永住権取得を公表したLiLiCoさん 写真/本人提供

──歌手を夢見て来日し、その後38年間日本で活動してきました。 永住権(正式には在留資格「永住者」)を取る前は、どんな在留資格で働いていたんですか。

私は「定住者」という在留資格で、就労内容に制限がなくどの職種でも働ける立場でした。ただ、在留期間には期限があるのでその前に在留カードの更新手続き(在留期間更新許可申請)をしなければなりません。在留カードの更新は、必要書類をそろえて入管で申請し、ハガキが届いたら受け取りに行くという流れです。

──永住権がなくて苦労したことは?

手続きが大変なんです。更新のたびに法務局・年金事務所・税務署・区役所などを回って書類を集める必要があり、仕事と両立するのは簡単ではありませんでした。

在留期間は当初1年、その後3年5年と延びていきましたが、「もう5年経ったの!?」という感覚で。更新の時期になると、毎回事務所に相談してスケジュールを調整してもらっていました。

入管の受付は平日9時からですが、朝8時前に行ってもすでに100人くらい並んでいるのが普通で、番号札を取ってから4時間ほど待つのは当たり前。そのうえ書類の不備を指摘されると、また出し直しになるんです。

「もし通らなかったらどうしよう」という不安はいつもありました。私は更新の時期になると、事務所やレギュラー番組のスタッフに「通らないことはほぼないと思うけれど、通らなかったら、その週から日本で仕事はできません」と念のために報告していました。

──更新のたびに落ち着かない時間が続くんですね。

そうなんです。在留期間の期限が切れる2週間前になってもハガキが届かず、不安になって入管に電話したこともありました。

「今対応しているので、しばらくしたら届きます」と言われたものの、ビザが切れる日まで入管の窓口が開いている時間帯はすべて仕事が入っていて、取りに行く日がない! とパニックでした(笑)。

たまたま収録日がずれ込んだおかげで、ハガキが来たその日に在留カードを取りに行けましたが、あのときは本当に冷や汗ものでした。ここ十数年で日本で暮らす外国人が増えたぶん、昔より審査に時間がかかっているんでしょうね。