ナイキの経営陣自らが株の買い支えをするほどの苦境に陥ったか?
ナイキの直近四半期(2025年12月~2026年2月)の決算を見ると、北米は3%の増収だった一方、為替の影響を排除した欧州は7%、アジア太平洋と南米が2%、中国が10%のそれぞれ減収である。
中国事業は売上全体の15%程度であり、欧州やアジア、南米は40%を占めている。北米の伸びが限定的であることに加え、中国以外のエリアでの不調に見舞われているわけだ。中国事業の停滞のみに気を取られると、ナイキの苦境の本質を見落とすことになりかねない。
株式市場は冷徹だ。株価は過去6か月で36%下落したのである。ナイキの株価はエリオット・ヒル氏のCEO就任で勢いづき、2024年10月のトップ交代の発表を行なった時間外取引では8%、時価総額で110億ドル(1ドル150円換算で1兆6500億円)も上昇していた。市場はヒルCEOの立て直しに期待をかけていたのだ。
しかし、2026年3月~2026年5月の減収見通しを発表すると、今度は時価総額280億ドル(4兆2000億円)が吹き飛んでしまった。
ヒル氏は2026年4月13日に2万3660株を取得したことが明らかになっている。100万ドルの取引であり、1億5000万円で自ら経営の舵取りをする会社の株式を取得したのだ。ナイキの取締役であるティム・クック氏も4月10日に2万5000株を取得している。
経営陣自らがナイキの行く末についてポジティブな見通しを持っていると受け取ることもできるが、なぜ、ナイキは世界的に売れないブランドになってしまったのだろうか。













