それでもニセコは世界20位圏外
ニセコは、今や世界的な高級スキーリゾートだ。パウダースノーを求めて「外国人による外国人のための楽園」が形勢されてきた。
しかしそれでも、フランスのヴァル・ディゼールやクールシュベル、スイスのグシュタードやサン・モリッツ、米国コロラド州のアスペンやベイルなどの世界の高級スキーリゾートと比較すると、ニセコの不動産はまだリーズナブルな価格帯といえる。このため、ニセコは依然として「割安」な場所として海外投資家・富裕層の需要が集まることになる。富良野や白馬であれば尚更だ。
英国サヴィルズの「The Ski Report-Winter 2025-26」によれば、1㎡当たりのホテルコンドミニアムや別荘などプライム住宅希望価格(約1億3500万円以上)は、米国アスペンがトップで2089万円/坪、フランスのヴァル=ディゼールが1934万円/坪、スイスのグシュタードが1827万円/坪と続く。その他、サン・モリッツが4位、クールシュベル1850が5位、ベイルが13位となっている。
世界スキーリゾート地プライム住宅希望価格ランキング(2025年)
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ニセコは28位で702万円/坪だ。ニセコは日本では断トツながら、世界のスキーリゾートでは20位圏外であり、トップのアスペンの三分の一程度の価格に過ぎないのである。なお、富良野は44位で381万円/坪、白馬を含め他の日本勢は全て圏外だ(※1ユーロ180円、1坪3・306㎡で計算)。実際にランキングで比較すると、その差は歴然だ。
文/高橋克英
『超富裕層に「おもてなし」はいらない 世界の一流が日本に惹かれる本当の理由』(講談社)
高橋克英
2026/4/9
1,210円(税込)
240ページ
ISBN: 978-4065435502
日本随一のスキーリゾート地としてその地を確固たるものにする北海道・ニセコ。日本全国のリゾートでは「第二のニセコ」を目指し、各地で開発競争を行っているーー。なぜ国内外の富裕層はリゾートを求め、投資や消費を繰り返すのか。その背景には、金融政策やAI時代の幕開けによる「世界的なカネ余り」と「退屈なひまな社会」の到来がある。
本書では白馬、石垣島など話題のリゾートの現況や世界的ブランド「ルイ・ヴィトン」が日本に進出する理由などを事例に、「富裕層はどういう性格をしているのか」「富裕層はどういう場所・モノ・コトにお金を落とすのか」を読み解いていく。ロングセラー『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか 「地方創生」「観光立国」の無残な結末』の著者・高橋克英氏が、富裕層との実際のやりとりやリゾートでのヒアリングをベースに分析した一冊。
目次
はじめに 「富裕層の性格」を理解することの大切さ
第1章 依然としてニセコが国内ナンバーワンリゾートに
第2章 世界的な「カネ余り」と「退屈でひまな時代」の到来
第3章 ニセコの発展でわかった「世界的リゾート」になる条件
第4章 進む「東京一極集中」と地方の選別
第5章 「ルイ・ヴィトン」が先導する勝ち組・負け組都市
第6章 富裕層を虜にする「ブランデッド・レジデンス」錬金術
第7章 なぜ富裕層は「外資系高級ブランドホテル」をベンチマークにするのか
第8章「NOT A HOTEL」が富裕層を惹きつけるカラクリ
第9章 実は富裕層とタワマンは相性が悪い
第10章 海外富裕層に「おもてなし」は不要
終章 富裕層から学ぶ「投資の鉄則」