消費ではなく、投資が牽引する経済社会へ
なぜニセコは海外富裕層を中心としたインバウンドを惹きつけるのか。
蝦夷富士と称される美しい羊蹄山や、パウダースノーに象徴されるスキーエリアが高く評価されているのは言うまでもない。加えて、彼ら彼女らが普段から使い慣れた外資系ラグジュアリーブランドホテルやホテルコンドミニアムが多くある。
英語が通じる、食事に困らないなど、海外富裕層向けの環境が整備され、ストレスなくゆっくりと滞在するのに適している場所であることが第一に挙げられる。不慣れな海外旅行先でマクドナルドやスターバックスを見かけるとどこか安心するように、世界的に知られたブランドホテルは富裕層にとって心理的安全性が高い。
更に、ニセコが海外富裕層を惹きつけている要因はもう一つある。それはニセコが、世界的に見ても「高級リゾート不動産市場」としての魅力が抜群なことだ。
魅力ということは、不動産価格が割安であり、この先の成長性も見込め、問題なく売買できる流動性があるということだ。ニセコの中核を成す倶知安町のひらふ地区や花園地区のプレミアム物件においては特に、新規だけでなく中古物件の人気も高い状況が続く。
こうした物件が、世界的なオークションハウスであるサザビーズやクリスティーズなど海外富裕層が好んで利用する海外不動産売買サイトに、米国・アスペンやフランス・クールシュベルなど世界的な高級スキーリゾートや、ハワイやカリフォルニア、コートダジュール、ドバイなど世界的なブランド都市・地域の富裕層向け高額不動産物件と並んで掲載されたり、特集が組まれたりして紹介されている。
無論、日本の不動産では、東京都心の高級タワーマンション、京都や軽井沢の高級別荘なども掲載されているが、ニセコの掲載物件数は、東京に匹敵するほど多い。それだけ流通量が豊富で、注目度が高く、売れ筋なのだ。
ニセコは、スキーリゾートとして滞在や観光の観点だけでなく、投資や資産運用の対象としても、つまり家賃収入などインカムゲインや、値上がり益であるキャピタルゲインが見込めるという点でも、海外富裕層にとって魅力的だと言える。
そして、キャピタルゲインを確定させるためには、株式市場や債券市場と同じように、いつでも売買できる信頼性・透明性が確保されたセカンダリー市場(流通市場)の存在が不可欠になるが、前述したように既に海外富裕層向けのグローバルな不動産売買プラットフォームにおいて、ニセコは「日本銘柄」では数少ないレギュラーメンバーだ。













