「高市さんは安倍路線を継承すべきです」
――米・イスラエルによるイラン攻撃は国際法違反との指摘もあるなか、高市首相はトランプ大統領に対してその是非には触れず「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだ」と持ち上げました。
私は日本にとって米国とイランのどっちが大事か。100対0で米国です。理想と現実は違う。ここはしっかりと割り切らなければなりません。
なぜこういう事態になったのか。国際社会は核兵器不拡散体制が条理です。国際社会の批判を無視して核開発を進めてきたのはイランです。1979年のイラン革命を経て樹立した現体制は「イスラエルの殲滅」を国是に掲げています。
イスラエルにとってみれば、そんな国に核兵器を持たれてはたまったものではない。米国にとっても重大な脅威です。1994年に北朝鮮の核開発に対する措置として、クリントン政権が北朝鮮への攻撃を計画していたとされますが、もしトランプ氏が大統領だったら実行していたかもしれない。その後に北朝鮮の核開発は進んでいなかったかもしれません。
ウクライナへの特別軍事作戦に踏み切ったロシアには国際法違反と批判しても、米国には表立っては言わない。現実はそういうものです。
ただ、日本はロシアとの関係改善も考えないといけません。イラン情勢に注目が集まっていますが、そうした中でも米ロは水面下で接近を続けている。ここで明らかにすることはできませんが、私はそういった情報に接しています。
ロシアは北朝鮮との結びつきも強くなっています。拉致問題の解決もロシアの協力なしには成し遂げられません。
――ただ、ロシアとウクライナは停戦に至らず、先行きが不透明です。高市政権は対ロ外交をどう進めるべきだと考えますか。
2014年にロシアがクリミアを併合し、欧米がロシアへの経済制裁を強化するなかで、当時の安倍晋三首相は一線を画しました。日本は北方領土問題を抱えているからです。
対ロ制裁と領土交渉を切り離す方針をオバマ大統領に伝え、制裁は限定的なものにしました。だからロシアとの対話が続いたのです。
一方で2022年にウクライナ戦争(ママ、ウクライナ侵攻)が始まり、当時の岸田文雄首相は欧米の経済制裁路線に乗ってしまった。これが一番の間違いです。
高市さんは安倍路線を継承すべきです。日本企業が迎撃向けドローンを生産するウクライナ企業に出資すると発表したが、非常に心配な動きです。ウクライナへの支援は慎重に、人道支援にとどめたほうがいい。また、ロシアへの経済制裁はすぐにやめるべきです。
私はロシア訪問前後の昨年12月、今年1月、2月にも高市さんにお会いして、私の考えを伝えています。
日本には北方領土問題があります。元島民のみなさんの平均年齢は90歳になりました。人道的見地からもまずは墓参の再開を急がなければならない。高市さんはそのことを十分に理解しています。
日ロ関係を前に進めるにはプーチン大統領との信頼関係が欠かせない。高市さんには安倍さんの遺志をしっかり受け止めて取り組んでもらえると期待しています。
取材・文/鈴木拓也 集英社オンライン編集部ニュース班














