内田被告が「弟分」の裁判に出廷

ここまで内田被告と小西受刑者が共に犯行に及んだのには、ヤクザ社会を彷彿とさせる「舎弟」の関係があった――。

検察側の冒頭陳述によると、事件の起きた4月、小西受刑者がSNSで仕事を募集したところ、顔見知りだった内田被告が「リコの舎弟」とコメントをつけた。小西受刑者は「リコさんの舎弟ならいいかもとか考えちゃいました」と返信し、ふたりは「姉貴分と舎弟」の関係になった。

そんな「舎弟」の裁判に内田被告が証人として出廷したのは、昨年3月の第3回公判のことだ。

職員に連れてこられた内田被告は、黒色のタートルネックのセーターに黒色のズボン姿。入廷時に、肩で風を切るような颯爽とした歩き方で、特に鋭い目つきが印象的だった。

さっきまで傍聴人の出入りで騒がしかった法廷が、水を打ったように静まり返った。

公判が開廷すると、裁判長は内田被告を証言台に立たせ、「嘘を言わない」などと記載された宣誓書を読むように促した。すると、内田被告はこう発言した。

「同じ内容の(自分の)裁判を控えているので、ここでは話したくありません」

裁判長が宣誓するように何度も命じたが、拒絶しつづける内田被告。開廷からわずか5分で一時休廷となった。それ以来、内田被告が再び法廷に姿を現すことはなかった。

内田梨瑚被告(写真/SNSより)
内田梨瑚被告(写真/SNSより)

審理が再開した後、検察側が証人尋問の代替措置として、内田被告の供述調書などの書証を読み始めた。

これらの書証によると、内田被告の裁判における最大の争点は「内田被告がAさんを殺害したか否か」という点であろう。

内田被告の供述調書によると、小西受刑者とAさんを車に乗せて神居古潭まで行ったことや、Aさんを車内で全裸にさせて神居大橋の欄干に座らせたり、Aさんに土下座をさせて動画を撮影したりしたところまでは認めているようである。

だが、内田被告はAさんの殺害を否定している。

内田被告が全裸のAさんを欄干に座らせた後、川に転落したのはAさんの「自殺」によるものだと主張。供述調書の記載は以下のとおりである。

<私はAに「死ぬなら私のいないところでやって」と言いました。自力で帰れるようにするため、Aの携帯とAから受け取った1000円札4枚をその場において、優花(小西受刑者)の手をとって走って車に戻りました。「キャッー」という女の子の声が聞こえた数秒後に「ダンッ」という音が聞こえました。自殺したのだと思います>