「間違いありません」と起訴内容を認めた
法廷の横のドアから職員に連れられ入廷してきた被告は、法廷に向かってまず一礼した。白いワイシャツに紺色のズボン姿で現れた被告には、まだあどけなさが残っていた。
被告は、報道されているような危険な人物像とは似つかない、ごく普通の少女といった感じだ。
そんな被告が問われている事件は、以下のとおり。
起訴状などによると、小西被告らは、内田梨瑚被告(22)の写る映像を無断で使用した被害者Aさん(当時17歳)を監禁しようと考えて、内田被告はAさんに対し、電話で留萌市の道の駅に来るように命じた。
その後、内田被告はB(当時16歳)を同乗させて、道の駅でAさんと合流したのち、旭川市内でC(当時16歳)、被告を同乗させ、2024年4月18日深夜から翌19日未明にかけて、Aさんを留萌市から旭川市まで車に乗せて監禁。
また、被告は内田被告と共謀して、19日午前3時29分から38分ごろまでの間に、神居古潭にかかる神居大橋で、Aさんの衣類を脱ぐように命じ、極度に怖がるAさんを欄干に座らせたうえ、「落ちろ」「死ねや」などと言って転落させ、窒息死させたとされている。
小笠原裁判長から「何か言いたいことはありますか?」と問いかけられると、小さな声で「いいえ」と答え、「間違いありません」と起訴内容を認めた。
検察側の冒頭陳述によると、事件の詳細は以下のとおりである。
事件当時、被告は19歳で、高校を中退し、アルバイトを転々としていた。
被告と内田被告は一時は疎遠になっていたものの、2024年3月末ごろに偶然、旭川市内で再会。
4月16日ごろからは、内田被告の舎弟として、荷物を持ったり、買い出しに出るなどの世話をするようになる。
4月18日夜、Aさんは内田被告の写る動画を自身のSNSに投稿。この動画は、Cが以前撮影したもので、CのSNSに投稿されていたものだった。
このとき、被告と内田被告とBはAさんと面識はなく、CはSNSをフォローするだけの関係だったという。
Cからの連絡を受けて、内田被告は無断で動画が使用されたことを知り、憤慨。
内田被告はCを介して、Aさんに電話をし、(動画を無断使用した)示談金として50万円の支払いと、留萌市内の道の駅に来るように命じた。
内田被告は、Bと合流して、道の駅に向けて旭川市内から車を運転。
4月18日午後11時37分ごろ、道の駅で内田被告らはAさんと合流した。Aさんを助手席に乗せて、車は旭川市内に向けて走り出す。
翌19日、午前1時ごろ旭川市内でCと合流。午前2時30分ごろには、同市内で被告は内田被告の運転する車に乗車。Bを自宅に送り届けたのち、午前3時ごろ、旭川市内のコンビニに立ち寄った。