誰の「実績」になろうが国民にはどうでもいい

「420万人の声を無視するのか!」参政党激怒…国民会議は排除の場か、それとも減税実行部隊か…高市首相が狙う「本丸」とは_3

その上で「政局論」的な観点からも論じておきたい。忘れてはならないのは、昨年9月に自民党と公明党、立憲民主党は「給付付き税額控除」の制度設計について3党の代表が会談し、協議入りで合意した事実だ。昨年末には日本維新の会も含めた与野党4党で実務者協議を開いている。

報道においては、立憲民主党と公明党の衆院議員が合流した中道改革連合の中には「政権側の実績作りに利用されるだけだ」と警戒感があるということだが、立憲民主党として合意した協議入りの事実は何だったのか。

もっと言えば、誰の「実績」になろうとも国民にとって良い政策ならば、どうでも良いことなのではないか。

加えて、立憲民主党の野田佳彦前代表は民主党政権時代、自民党や公明党と「社会保障・税一体改革」で合意した。これによって、消費税率が5%から8%、さらには10%へ引き上げられたことは忘れてはならない。

与党から野党に立場が変わったとは言え、公明党はどのように整理しているのか。その点を一度クリアにしてもらいたい。

国民民主党の玉木雄一郎代表は昨年9月、給付付き税額控除について「制度としては優れているが、最大のネックは、今から議論を始めても当面の物価高対策としては間に合わないということだ」と説明した。

その時、高市首相がどのような判断を下すか

(玉木雄一郎氏Xより)
(玉木雄一郎氏Xより)

玉木氏の指摘する通り、導入には年単位の時間がかかるとしても、制度自体には玉木氏も前向きであることがうかがえる。

ならば、国民会議でより良い「国民民主党案」を提示し、長期的な観点から国民生活を向上させるプランにしていくべきだ。そこに国民民主党の価値がある。

一部には、高市首相が財務省などの抵抗に遭って公約を実現できないのではないかとの言説もみられる。だが、野党も含めて「減税」を衆院選で掲げた以上、いまさら財務省の抵抗で潰れることは考えにくい。

むしろ、不安材料があるとすれば、食料品の消費税ゼロ化を2年限定で実行した場合、その後に再び消費税率を元に戻すことが可能なのかということだ。給付付き税額控除が導入されたとしても、消費税率を改めて「正常」に戻すには政治的体力が必要になるだろう。その時、高市首相がどのような判断を下すかにも注目が集まる。

ひとまず、首相が設ける「国民会議」は6月中にも一定の方向性を出す予定だ。ただ、給付付き税額控除に伴う財源はどう捻出するのか。そこから「先」の議論も国民会議においては詰める必要がある。

政治家・政党の「公約」は言うは易く行うは難し、である。選挙で掲げた政策を実現しないで良いならば、単に「言ったもん勝ち」を許してしまう。

政策論としても、政局論としても議論に参加しないのでは、国民からソッポを向かれるのではないか。仮に「国民会議」という名称が不評を招いているならば、高市首相は「与野党協議」などと名を変えれば良い。すべての政治家・政党は「公約」を守るか否かが問われている。

文/竹橋大吉