世界が「アメリカの赤字」をつくっている!?

〈イラン攻撃〉米国が「巨大債務国家」でありながら「世界一豊か」である本当の理由…35兆ドル債務を支える“ドル覇権”の正体_4
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アメリカの巨大な借金は国内の政治や予算だけの問題ではありません。実は、世界経済全体のダイナミックな仕組みそのものが、借金を支える構造になっているのです。これを理解するキーワードが「経常収支の赤字」、特にその大半を占める「貿易赤字」です。

そもそもアメリカは、世界最大の消費大国です。 国内では作りきれないほどの自動車、電化製品、衣料品、食品などを、世界中から大量に輸入しています。その結果、輸出額よりも輸入額のほうがはるかに大きい「貿易赤字」の状態が何十年も続いています。

これは見方を変えれば、アメリカが大量にモノを消費してくれるおかげで、日本やドイツ、そして中国といった「世界の工場」と呼ばれる国々が生産活動を行い、経済を成長させ、雇用を維持できているということを意味します。

ここで、あの「ドル」が再び登場します。

アメリカへ製品を輸出した国々の手元には、その代金として受け取ったドルが大量に蓄積していきます。企業や政府は、そのドルをただ金庫に眠らせておくわけにはいきません。少しでも有利に運用して利益を生み出したいと考えます。そこで、その莫大なドル資金の最も安全で確実なところに投資します。それが皮肉なことに、「米国債」なのです。

この流れを整理すると――

①アメリカが世界中から商品を輸入し、貿易赤字を垂れ流す。
②商品を売った日本や中国などの輸出国にドルが溜まる。
③輸出国は余ったドルを運用するため、安全な米国債を購入する。
④その資金がアメリカに還流し、再びアメリカの赤字を穴埋めする。

このような、巨大な国際的資金循環システムが完成します。

依然としてこの基本構造は揺らいでいません。アメリカの旺盛な消費と赤字が世界の経済を回し、その見返りとして世界がアメリカの借金を支える。このような、壮大な持ちつ持たれつの関係性が、世界経済の根底には深く横たわっているのです。

文/すあし社長 写真/shutterstock

あの国の「なぜ?」が見えてくる世界経済地図
すあし社長
あの国の「なぜ?」が見えてくる世界経済地図
2025/10/8
1,980円(税込)
320ページ
ISBN: 978-4761278304

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アメリカ・中国・ロシア・ヨーロッパ、そして日本……
テレビ・新聞のニュースではわからない世界の真実
世界を変える〝強国の戦略〟を日本人は知らない。

「なぜ、日本が世界から『金持ちの国』といわれるのか」
「なぜ、日本は物価高が続くのか」
「なぜ、中国も、ロシアも、アメリカも衰退していると言われているのか」
「なぜ、世界的に右派・ポピュリズム政党が台頭しているのか」

……さまざまな疑問に、「表面的な答え」ではなく、ものごとの繋がりから理解できる一冊です。

ニュースを見ていると、ある国の行動が理不尽で理解不能に思えることがあるかもしれません。しかし、その国の歴史、内政、国民感情といった「火種」を知れば、その行動が彼らにとっての「ロジック」に基づいていることが見えてきます。世界経済を善悪二元論ではない、複眼的で、バイアスのない冷静な視点で読み解いてみてください。

【目次】
1章 〈アメリカ〉 ドルという魔法は、いつまで続くのか
2章 〈中国〉 成長か、安定か、究極の選択に迫られる
3章 〈ロシア〉 「過去の栄光」のために、犠牲にする未来
4章 〈ヨーロッパ〉 「ひとつの家族」の理想と現実
5章 〈日本〉 世界が注目する「豊かなまま縮小」の行く道

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