「個人の言動が問題なのに、なぜ200人も受ける必要があるんでしょう」
第三者委は、斎藤知事の指示のもと、告発者探しをしてAさんと特定し、処分をしたことは公益通報者保護法に照らして「違法だ」とも断定している。
「斎藤知事は従来、パワハラとの指摘には“業務上必要な指導”で問題はなかったと主張し、百条委報告に対しても“一つの見解”に過ぎないと強気な姿勢を続けました。しかし第三者委が11件の具体的なパワハラを指摘すると『認定については認めていきたい』と、初めて問題があったことを認めました。
ところが今度は、『襟を正して仕事をしっかりしていくということが大事だと思います』と言うだけで自分を処分しようとしないんです。
さらに、告発者のあぶり出しと処分が違法だと言われたことには以前からの『告発文書は誹謗中傷性が高く公益通報ではない』との主張を変えず、対応は適切だったと言い続けています」(県政担当記者)
こうした状況が続く中、昨年10月から必要性が指摘されてきたハラスメント研修は年度末になっても行なわれず、記者会見では記者から「あまりにもスピード感がなさすぎる」という指摘まで出ていた。
そしてようやく実施を発表した兵庫県は、研修は斎藤知事だけでなく次長級以上の幹部職員約200人が対象だと説明した。これを聞いた県議会関係者は、
「斎藤知事の個人の言動が問題なのに、なぜ200人も受ける必要があるんでしょう。一緒に受けてお茶を濁すつもりではないでしょうか。自分の考えと違う意見は『一つの見解』と切って捨てる斎藤知事が研修を受けても、とりあえず記者会見を乗り切るのが目的なら何の意味もないでしょう」
と話し、効果に期待していないことを隠さない。
県によると研修の中身は、①部下の指導方法などの組織マネジメント、②公益通報者保護制度、③個人情報保護制度、の3つのテーマで、計約4時間行なうという。
①では、怒りをコントロールする「アンガーマネジメント」の必要性が説かれるという。百条委が実施した県職員アンケートで“瞬間湯沸かし器”と裏で言われているとも書かれた斎藤知事は果たして自分のこととして聞き入れるのか。