“強制”の声も? 揺れる学校行事としての万博

今回の万博では、大阪府が会場付近の学生たちを無料で招待しているが、これに対しては賛否が巻き起こっている。アクセスの悪さや、安全面での懸念などがあり、一部の市では“#関西万博への校外学習を強制しないで”という署名活動まで繰り広げられた。

また、遠足や修学旅行先を、行きたかったテーマパークから万博に変えられてしまったと嘆く学生たちの声もSNSで散見され、〈そこまでして来場者数をかさ増ししたいのか〉と批判の声も上がっていた。

そんな中、4月中旬の平日に万博会場を訪れると、多くの人でにぎわっていた。そしてしばらく歩いて感じたのは、圧倒的な学生の多さだった。

平日は学生だらけだった万博
平日は学生だらけだった万博

体感では4割くらいは学生という印象。赤白帽子を被り、先生に引率されながら集団で歩く小学生たちや、グループごとにわかれて活動する中学・高校生の姿がいたるところで確認できた。

そこで彼らに、「万博の感想・訪れる前と訪れた後」についてそれぞれ話を聞いた。

「行く前はあまりいい噂を聞かなかったので、どれだけ荒れているのかなって思っちゃっていました。パビリオンはこれから見ていこうと思っていますが、すでに結構楽しいです」(静岡県、中学2年生・男子)

「例年は京都に修学旅行で行くんですが、今年は万博に行くことになりました。いろんな噂を聞くので、どんなところかちょっと想像できないなって、不安だったりはしました」(静岡県、中学2年生・女子)

「今日は日帰りで来ました。特に準備とかもせずに、なにがあるとかは正直まったくわからん状態で来たので不安は不安でした。でもまあ、わくわくもしていましたね」(大阪府、高校1年生・男子)

「去年の12月くらいには万博に行くことが決まっていました。修学旅行は高2のときに沖縄に行って、それとは別に4月に新しい学年・学期になるので親睦を深めるという遠足みたいなのがあり、今年はそれが万博やったっていう感じで。

行く前は正直、政治的ななにかに巻き込まれるんじゃないかっていう不安がありました。でも行った後は、海外のパビリオンとか活気とか、そういうのを直に経験できですごいいい経験になりました」(京都府、高校3年生・女子)

学生たちの多くが万博を訪れる前は、さまざまな不安や疑念を抱いていたようだ。SNSやニュースで耳にした噂や情報に影響され、実際にどんな場所なのか予想もつかないという声が多く見られた。

事前準備なしでも楽しめる?
事前準備なしでも楽しめる?

しかし、いざ万博会場に足を運んでみると、予想に反して「楽しかった」という感想が圧倒的に多く見受けられた。学生たちは建物やオブジェ、展示物などを見て楽しんだり、パビリオンでの体験を満喫したりしていた。

「いろんな情報があって、なんか楽しかったってのもあったし、こういうのがよくなかったみたいないろんな情報があって不安でした。でも行ってみると、歩いているだけで楽しいです。建物とかオブジェとかイラストとか、見ているだけでも楽しいです」(静岡県、中学2年生・女子)

「今は高1で、入学式前の説明会みたいなので万博に行くと言われ、行くことになりました。でもネットでいろいろなニュースが流れとったじゃないですか、間違ったことも含めて。それを聞いとったからちょっと不安ではありました。でも来たら、パビリオンとか普通に楽しかったです。思ったよりも広くてびっくりしました」(三重県、高校1年生・女子)