横浜、東洋大姫路も優勝候補
そして、今大会の優勝候補筆頭といえるのが明治神宮大会覇者の横浜だ。
春夏合わせて5回の全国優勝を成し遂げた超名門校は、今春も高い戦力を誇る。特に奥村頼人と織田翔希のWエースは今大会の出場校の中でも実力は飛び抜けており、継投策などマネジメント次第では、盤石の試合運びが可能だ。
攻撃面では2年の夏から主将を務めている阿部葉太を中心に打力も充実しているが、失策数が多く、守備面がやや課題となっている。ディフェンス力がものを言うセンバツでは、守備の不安を投手力で補えるかがポイントとなりそうだ。
常勝軍団のイメージの強い横浜だが、意外にも2008年の夏を最後に、甲子園では春夏ともにベスト4以上になっていない。甲子園での勝ち癖がついていないのは懸念材料だが、昨秋の公式戦では明徳義塾、健大高崎、東洋大姫路に勝利をしており自信もついているだろう。
令和に入り、県内のライバル校である東海大相模や慶應がそれぞれ春と夏に頂点に立っている。横浜も意地を見せたいところだ。
東洋大姫路も安定した試合運びができるチームとして優勝候補に挙げられる。攻守にわたって大崩れしないチームスタイルを持ち、堅実な戦いができるのが最大の強みだ。
投手陣では安定したピッチングが計算できる阪下漣と、その阪下が出遅れていた時期に投げていた末永晄大も、“二枚看板”として評価は高い。
守備力の安定感も際立っており、堅実な内野守備が凡ミスを防ぎ、ピンチでも崩れにくい。全体的に大きな穴がないのが東洋大姫路の大きな強みだ。
いったいどの高校が春の王者となるのか。筋書きのないドラマがまもなく幕開けとなる。
文/ゴジキ