焼酎を飲む人は死亡率が高い

海外の研究で、赤ワインをよく飲む人には循環器系疾患が少ないことがわかっています。たしかに、フランス人は昼から赤ワインを飲むような生活をしていますが、心筋梗塞が少ないことで知られています。
日本人にも赤ワインが同様の効果があるかについてはわかりません。というのも、赤白問わず、日本人の場合、まだまだワインの消費量が少なく、エビデンスが取れる状態にはないのです。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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ただ、私たちがお酒の種類とその影響について調べた範囲内で言えば、焼酎をよく飲む人に死亡率が高いことがわかっています。また海外の研究でも焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を飲む人が最も死亡率が高いことが報告されています。

調査を始める前の段階で私は、ビールや日本酒など醸造酒をたくさん飲む人の死亡率が高いのではないかと考えていたのですが、実際には、焼酎だけとか、1杯目はビールであっても続きは焼酎に変えるといった飲み方をする人にリスクが高かったのです。

その理由は不確かではあるものの、どうも焼酎好きの人は量を飲みすぎてしまう傾向にあるのではないかと思えるのです。

その調査は、申告制で行われました。ビールやワインなら比較的正しい量が伝えやすいですが、焼酎の場合、水やお茶などで割って飲むことが多く、また途中で足したりしがちです。故意かどうかは別にして、焼酎が好きな人はその量について、やや少なめに申告している傾向があるように見えました。

写真はイメージです(PhotoACより)
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つまり、ほかの種類の酒と比べて焼酎が体に悪いということではなく、焼酎好きの人は飲みすぎになりがちだから死亡率も高かったのではないかと私は推測しています。

あるいは、もしかしたら、これまで醸造酒を好んで飲んでいた人が、糖尿病や肥満などを指摘されて糖質を避けるために焼酎に替えたというのがあるのかもしれません。もともと生活習慣病を持っているならば、死亡率が高く出る可能性はあります。

結局のところ、お酒については種類よりも量(純アルコール量)が問題だということになります。